正解より大切なもの 〜バイオリン教室で育む“考える力”〜

こんにちは!流山のヴァイオリン・ソルフェージュ教室です。

最近、「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉をよく耳にします。

なるべく無駄を省き、最短で効率よく結果を出す。

それが最善な場面もありますが、音楽においては、必ずしもそうではありません。

「失敗」や「遠回り」に見える時間も、実は大切な学びの一部。

音楽を学ぶ過程では、一見“無駄”に思える時間に、大事なものが詰まっています。

失敗を避ける風潮と、その影響

レッスンをしていると、

早く答えを知りたい・・・

間違えたくない・・・

という気持ちは、

子どもにも大人にも共通してあるなと感じます。

ただ、失敗を避けるあまり、自分の頭で考える前に答えを求めてしまうと、

自分で気づく力が育ちにくくなってしまいます。

正解は「ゴール」じゃない!?

“正解を知る”ことは、ゴールではなく、むしろスタートです。

間違えたり時間がかかったりする中で、

どうしてこうなったんだろう?

次はこうしてみよう!

と考える時間こそが、

本当の意味での成長につながります。

その過程で間違えることや、少し時間がかかることは、

決して無駄ではありません。

“無駄”に見える時間が、応用力を育てる

言われたことを正確にこなす力は、上達に欠かせません。

けれど、「言われたことだけ」を繰り返していると、

応用がきかなくなってしまうこともあります。

たとえば、楽譜を見ながら

どうして先生は、ああいうふうに言ったんだろう?

どうしてここはこうなるんだろう?

と、考える時間。

一度やってみて

あれ、うまくいかないな・・・

と、試行錯誤する時間。

そうした“無駄”に見える時間の中に、応用力や想像力の芽が育っています。

失敗や誤答を避けて最短ルートを進むよりも、

少し寄り道しながら、自分で見つけた答えのほうが

ずっと身につくものです。

寄り道が世界を広げる!?

習った曲は知ってるけど、同じ教本の中の他の曲は見たこと無いし、知らな~い。

という生徒さん、実は少なくありません。

少し練習の手を休めてでも、

次はどんな曲をやるのかな?

他に面白そうな曲ないかな?

と、ページをめくってみる。

こんな“寄り道”も、自分の世界を広げる大切なステップです。

「答えを教える」よりも、「一緒に考える」

「わからない」と感じたときに、すぐ先生に答えを聞こうとする子もいます。

ふみ先生

答えだけ聞いて満足しちゃって、やり方には全く興味が無い子も珍しくありません。

質問すること自体はとても大切ですが、

「どうすればいいか」を考える前に答えだけを知ろうとするのは、

少しもったいないことです。

すぐに答えを聞くのではなく、

どうしてだろう?

と、少し考えてみる。

その小さな習慣が、後々大きな力になります。

当教室では、すぐに正解を教えるのではなく、考える時間を意識的に取っています。

生徒さんが自分で気づけるよう、ヒントを出したり、様々な弾き方を試してみたり。

「答えを教える」よりも「一緒に考える」過程を通じて、

「どうしてそうなるのか」を考える時間を大切にしてほしいと思っています。

“見守る”ことも大切なサポート

「失敗しないように」と手を出したくなる気持ちは、親御さんや先生にとって自然なものです。

けれど、あえて見守る時間を持つことで、子ども自身が「考える」「工夫する」力を育てていくことができます。

時間がかかっても、ちょっと遠回りでも大丈夫。

“無駄”に見えるその時間は、後々、大きな実を結びます。

おわりに

音楽の試行錯誤は、人命に関わるような失敗ではありません。

だからこそ、思いきり間違えて、やり直して、考えてみましょう。

すぐに結果は出なくても、“遠回り”の中で育つ力は、音楽だけでなく、

これからの人生にもきっと役立つはずです。

効率や正確さだけでは測れない「考える力」を、

一緒に育てていけたら嬉しいです。

それでは、流山のヴァイオリン・ソルフェージュ教室でした!