Sagrada Familia's intricate facade and spires in Barcelona, Spain.

教室の理念

ご覧いただき、ありがとうございます。
私がレッスンで大切にしていることは、基礎力の積み上げと、自分で考える力です。

表現したい音楽を内に秘めているにも関わらず、演奏上の根幹となる部分が伴わず苦労している方を、たくさん目にしてきました。
楽器演奏に限った話ではなく、音楽を感じ取る力や読譜力においても同じです。ベースとなる力があってこそ、身につく能力があります。

決して、短期間で手っ取り早く効果が上がるものではありません。どちらかと言えば「ウサギとカメ」で言うところのカメさんです。最初はウサギがリードしますが、最後はカメが勝ちますよね!歩みが遅くても、基本を着実に積み上げた人は強いのです。

かく言う私も、「ウサギとカメ」で言えばカメ側です(なかなか信じてもらえないのですが…)。
中学生の時点で既に父が年金生活だったこともあり、両親からは「私学に通わせるお金は無い」と釘を刺されていました。幸いにも「東京藝大なら」という条件で音楽をやらせてもらえることになったものの、お金が無いことに変わりはありません。なるべくお金をかけずに音楽を勉強する方法(=学校はフル活用する前提)を考え、「入試にもあるし。」たったそれだけの理由で、音階とエチュードを欠かさず練習することにしました。

その途中過程でたどり着いたのが、「基本がわかっていれば自分である程度考えられる」という思考です。
一見派手に見えるコンチェルトを分解していくと、音階やエチュードに出てきた要素ばかり。
「なんだ、応用すればいいのか。そのためには観察力と分析力も必要だ」
そう気づくまでに、時間はかかりませんでした。

世の中が進歩し、物事を考えなくても、仕組みを知らなくても、困る場面が少なくなりました。
しかし音楽では、「これ!」という絶対的な正解が無い時もあり、自分なりに考えて自分なりの答えを導き出す力が問われる場面が多々あります。これは決して音楽だけに限った話では無く、ありとあらゆる場面で必要な力だと思います。

近道では無いかもしれません。ですが、まわり道しないと見えない景色があるのも事実。

そして何より、考えた末に結論にたどり着いた時の幸せたるや!

音楽を通じて、自分で考える力を身につけるお手伝いができたら幸いです。