私がオーケストラの譜読みで気をつけていること

こんにちは!流山のヴァイオリン・ソルフェージュ教室です!

6月になりました。気付けば2025年も半分が経とうとしていますね(・o・)

私の6月は、オーケストラの本番と譜読みが続きます。

こちら2つの演奏会に出演します。

6月15日(日)は市川にて。ベートーヴェンの運命、チャイコフスキーのピアノ協奏曲、武満徹。プログラムも去ることながら、メンバーが豪華すぎて楽しみです。

6月22日(日)はコンサートマスターとしてお世話になっている流山フィル。チャイコフスキーの交響曲第5番と、ヘンデル「水上の音楽」(ハーティ編)の2本立てです。

ふみ先生

どちらも聴きごたえあるプログラムです!

流山フィルはいわゆるアマチュア団体。週1回の練習を半年間つみ重ねて、演奏会に臨みます。

夏の演奏会が終わったら冬の演奏会に向けて練習を始め、冬の演奏会が終わったら夏に向けて練習を始め…という感じで進んでいくので、

コンサートマスターは必然的に、夏の演奏会と前後して、冬に演奏する曲のボウイングを考えるスケジュールになるんですね。

私の脳内は、今回演奏するチャイコフスキーと冬に演奏するブラームスがゴチャゴチャに入り混じっております。苦笑

ふみ先生

個人的には、楽器を持つ練習よりも、ボウイング考える時のほうが好きですね。曲とじっくり向き合ってる感じがするので。

市川のほうはプロ集団なので、まだ全体での練習は始まってません!(もちろん個人練習はしてますよ〜)

プロ集団は、直前の数日で仕上げるのが普通です。

究極のソルフェージュ?オーケストラ譜読みの攻略ポイント4選

アマチュアオーケストラでヴァイオリンやヴィオラを弾いている皆さん、オーケストラで演奏する中で譜読みの難しさを感じることはないですか?

今回は私なりのオーケストラ譜読みのポイントをまとめてみました。

オーケストラで演奏する人なら誰でも感じたことのある悩みだと思うので、参考になればうれしいです。

①曲の全体像を掴んでおく

まずは大ざっぱで良いので、曲の全体を把握します。

私がチェックしているのは、以下のポイントです。

オーケストラ譜読み:最初のチェックポイント

  • 大雑把な楽曲構成(こことここが同じ、大雑把に3つに分かれているなど)
  • 調性、転調(durかmollかだけでもよい)
  • 和声(特にカギになりそうな部分だけでもよい)
  • 終止形(完全終止、変終止、偽終止など)
  • 自分がメロディを担当しているかどうか
  • 和声の中で、重要な音を担っているか
  • アンサンブルが難しそうな箇所

これらの情報を読むときに、一番確実なのは

スコアを読みこむこと。

入ってくる情報量が、圧倒的です!

でも難点が2つありまして・・・(泣)

  • 読み込むのに時間がかかる(ボウイング決めや弦セクション指導の予定がある場合は、何としてでも時間を確保してスコア読んでます!)
  • スコアが入手できないケースがある(海外からお取り寄せ◯ヶ月待ち、そもそも出版されてない、など)

そういう時は、このような方法で、全体像を掴みます!

音源がある場合
パート譜を見ながら音源を聴きます。
音源もない場合(新作初演など)
パート譜から音楽を想像しつつ練習します。
初日のリハーサルで「なるほどこういう曲か」と発見するのも一つの楽しみだと思っています(たぶん、他の奏者も同じ気持ち)。

② 音源を複数聴き比べておく

音楽の解釈はひとつじゃありません。

正解が一つじゃないからこそ、複数の演奏を聴き比べることで、曲の幅が見えてくるんです。

たとえば、冒頭に "Moderato" と書かれていたとしましょう。

一般的に「中くらいの速さ」と訳される言葉ですが、

  • Moderatoの範疇と考えられるテンポは、演奏者によってかなり差がある
  • Moderatoにテンポ以外の情報(空気感など)を含むケースもあり得る

という感じで、いろいろありまして、

要するに、

一口では語れないんです。

おふくろの味がそれぞれの家で違う、みたいなこと?

ふみ先生

そうですね。すてきな例え!

デュフフ。やったぜ。

聴き比べをする、もうひとつの理由はこれです。

ふみ先生

単純に、いろんな演奏を聴くのが楽しい!

聴き比べを通じて、いろんな演奏に出会えたら、嬉しくないですか?

③ どんなテンポにも対応できるようにする

音楽は生き物です。

どんな雰囲気でも、どんなテンポにも対応できるようにしておくと、アンサンブルがグッとやりやすくなります。

リハーサルも本番も安心です!

おすすめの練習方法はこちら。

どんなテンポにも対応できる!一度ためしたい練習方法(やり過ぎ禁物)

  • カラオケ的に音源に合わせて練習する
  • メトロノームでガチ練(を、ほどほどに)する

結局のところ、

テンポを自由自在に揺らせるようになるには、

「テンポを揺らさない状態」を

知る必要があります。

速いテンポ、遅いテンポ、テンポの揺れも含めて「歌える」状態を目指したいですね。

なお、メトロノーム練習をやり過ぎると、

そのテンポにしか合わせられなくなります・・・。

決してやりすぎないようにしてくださいね~。

(とは言え、やらなさ過ぎも良くないので、何事もほどほどに)

ふみ先生

少なくとも、プロとしてお金を頂く以上は「このテンポでしか弾けません!」はアウトです。

④ パート譜の情報をしっかり読む

音とリズムを正確に弾くのはもちろんですが、

それ以外に見落としがちな要素を、改めてチェックしていきます。

  • 楽語や表情記号、強弱
  • ガイド音符(なければ自分で書き足す)
  • 長い休符の後の出方(次のフレーズのアウフタクトから出るのか、フレーズの最初から出るのか、途中合流するのか)

こうした細かい準備が、後々のアンサンブルで大きく効いてきます。

結局のところ…これって究極のソルフェージュ?

自分のパートだけをひたすらさらうよりも、全体像を見ながら譜読みする方が、

オーケストラの中での自分の役割を把握した状態で練習に入れます。

身につくスピードも段違い。

ここまで「オーケストラの中での自分の役割」を理解するためのプロセスをみてきましたが、

それら全てが、

耳と目と頭をフル活用する

生きたソルフェージュなんです!!!

「ソルフェージュ=遠い世界の話」と感じる人も多いと思いますが、

実はそんなことありません!

日々の譜読みの中に、ソルフェージュ的な視点は自然に取り入れられるんです。

まとめ

オーケストラでいい演奏をするには、ただ「さらう」だけでは足りません。

  • 全体を見渡す視点
  • 複数の解釈に触れる耳
  • どんな状況にも対応できる柔軟性
  • 地に足のついた譜読み力

こうした力を少しずつでも身につけていけたら、リハーサルがもっと楽しくなり、本番でも自信を持って弾けるようになります!

譜読みは、実はとてもクリエイティブで面白い作業です。

曲を深く知る楽しさを、ぜひ一緒に味わいましょう!

流山のヴァイオリン・ソルフェージュ教室でした!