ソルフェージュって何ですか?何の役に立つんですか?

のっけから非常に難しい質問!答えるのが大変だ。なぜなら「ソルフェージュ」が指すものの定義が、非常に多岐にわたっているからです。

正直申し上げますと、大学院生の頃から「ソルフェージュ」をどう説明するか試行錯誤を繰り返していますが、未だに自分の中で納得のいく説明を見つけられておりません。ですが、現時点での私の見解を非常にシンプルに申し上げますと、

  • 西洋人でない我々が西洋音楽を演奏する時の、見えない壁を取っ払うための学習。
  • 「郷に入っては郷に従え」の「郷」にあたる部分、西洋音楽における「暗黙の了解(暗黙知)」を知る。例えるなら、カリフォルニアロールに対して日本人が抱く違和感(の逆バージョン)的なもの。
  • 文章を読むときの「行間を読む」にあたる部分。それを感じ取るために必要な前提知識をつける練習。
  • 作曲家が楽譜に残したメッセージを、行間も含めて読み込む力をつける

といった具合でしょうか。よろしければこちらのブログ記事もお読みいただければ幸いです。https://fumi-music.com/solfege-susume

何の役に立つかって?「マニアだけが知っている!大阪市此花区某テーマパークを100倍楽しむ方法」みたいな、知らないよりも知ってた方が楽しめることってありますよね。西洋クラシック音楽におけるそういう感じのこととお考え頂ければ。

子供のレッスンではどんなことをするのですか?リトミックとは違いますか?

音楽を楽しむ土台となる力を培います。具体的には、

  • 身体動作を通じて拍感・リズム感・音感を身につけること
  • 歌唱表現やリズム表現を通じて音楽の楽しさを味わうこと
  • 楽譜の読み書きにおける基本的なルールを身につけること

などを行います。

リトミックとソルフェージュの違いは、大ざっぱに次のようにお考え頂けたらと思います。

  • リトミック:音楽を通じた人間力の向上。音楽を通した人間教育。
  • ソルフェージュ:音楽そのものにアプローチするもの。結果として人間教育に通じる部分はある。

どのぐらいで効果があらわれますか?

音楽や練習に対する姿勢と密接にかかわるので、一概には申し上げられません。ソルフェージュの場合は、楽器の練習に対する意識が変わることがスタートラインです。音楽に多くの時間を注がれる方ですと、早い方で1ヶ月、少なくとも3ヶ月あれば何かしらの効果を感じられる方が多いようです。

でも「効果が出た!」ってぬか喜びして、習うのを止めないでくださいね。その行動は「1kg痩せたからドカ食いしよう!」てのと全く同じです。

家で復習したほうがよいですか?

宿題を出しておりますので、必要に応じて取り組んでください。また、楽器の練習の際に、ソルフェージュで習ったことを取り入れてみてください。

家にピアノは必要ですか?

復習のために、鍵盤楽器はあったほうがよいです。響きや音色を作る観点からは、電子楽器よりもアコースティック楽器が望ましいですが、住環境などの都合で困難な方は、時々スタジオ等でグランドピアノやアップライトピアノを触ることをお勧めします。公共施設の音楽室などもありますので、お住まいの自治体で調べてみてください。

出張レッスンしていただけますか?

日時や場所によっては可能な場合もございますのでお問い合わせください。レッスン代+実費交通費をいただきます。また、場所代も併せてご負担ください。ピアノと机を使える場所でお願いします(可能であれば、電子でない楽器が望ましいです)。

受講生が数名いらっしゃれば、交通費・場所代の1人あたりのご負担が減ります。

ピアノが弾けません・・・弾けた方がよいですか?

(基礎コース)
音程と音階については、ご自身の演奏楽器を通じて理解を深める形でかまいません。むしろ、ご自身が演奏される楽器のほうがわかりやすいと思います。

ただし、和音の理解を深める上でピアノに勝るものはありませんので、

  1. 鍵盤の場所と音名が一致する
  2. 弾きたい鍵盤の上に指が動く

この2つができるだけで理解度がグン!と上がります。ぜひチャレンジしてください!レッスン内でもサポートします。

(受験対応コース)
入試の副科ピアノ、入学後の副科ピアノレッスン(必修)、教職とったらなおさら必須・・・やらないほか無いので頑張ってください!

救い?を1つ。ソルフェージュの中でもピアノの練習ができます!当教室の受験対応コースでは、専攻がピアノでない生徒さんにも、和声聴音や複旋律聴音をピアノで弾く復習課題を出しています。超絶ゆっくりテンポで弾いたとしても、音を出して初めてわかることがあるからです。

え、なに、人前でピアノを弾くのが怖い?大丈夫。当教室の講師はピアニストではありません。つまり、ピアノの先生が「何でこんなのができないの!!!」とイラついてしまう(←人による)ポイントも、「なぜ難しいと感じるか」がわかるんです。レッスン内でばっちりサポートします!

絶対音感が無いのですが、受験に不利でしょうか?

「絶対音感が無いとダメ」ということはありません。むしろ、かえって邪魔になっているケースもみられます。音同士の間隔(音程)を正しく認識する力のほうが大切です。

和声聴音のバスが聴けません。

バスを感じる努力をしてみましょう。ピアノの練習時に左手を聴く、伴奏パートのバスを意識的に聴くことなどがお薦めです。

音大(音高)受験を考えています。過去問を見たら今の自分にはとても難しいように感じるのですが、志望校の講習会は参加したほうがよいですか?

参加して「あ、自分けっこうヤバい・・・」と知るのも立派な収穫なので、遅くとも2年生の終わりまでには参加することをお勧めします。目指すべき(ひとまずの)ゴールが見えて、モチベーションも上がりますよ。

東京藝大の楽理科を受験したいのですが、対応していますか?

ソルフェージュ科目(楽典・聴音・新曲視唱・リズム課題)に対応しています。

和声はソルフェージュ科目とも大いに関連がありますので、初歩的な内容をお教えしたのち、作曲系の先生に引き継ぎます。習熟度によっては、最初から作曲系の先生をご紹介する場合もあります。

副科ピアノは、ピアノの先生をお探しになってください(「餅は餅屋」です・・・)。その際必ず、藝大楽理科受験希望である旨を伝えてください。(器楽科・声楽科の副科ピアノと課題曲が異なります!)

副科実技はピアノ以外でも受験できますので(募集要項参照)、ヴァイオリンで受験希望の方は一度ご相談ください。

小論文と英語は、専門の予備校などで勉強される方が多いようです。

東京藝大の音楽環境創造科を受験したいのですが、対応していますか?

申し訳ありませんが、対応しておりません。音楽環境創造科の受験に対応している先生や予備校をお探しください。