オーケストラで開放弦は使わないほうがよい？使ってもいいの？
オーケストラの曲で開放弦（指番号0）を使って良いのか、使わないほうが良いのか？
気になりませんか？
いっぱい使いたいな！
弾くのが簡単になりそうだし！
私は1音たりとも使いたくないわ。
意地でも。
とまあこんなふうに、考え方はいろいろですが、
個人的には、開放弦をたくさん使いたい派です。
この記事では、オーケストラの曲で開放弦を使うメリット・デメリットをご紹介します。
本記事は、おもにアマチュアオーケストラ、部活やサークルのオーケストラ向けの内容です。
オーケストラの曲で開放弦を使うメリット
大まかに3つあります。
豊かな響きを出しやすい
大きなメリットは、何と言っても、
開放感のある豊かな響きを得やすいこと！
音階の音に開放弦の音が含まれている調性だと、この特性が顕著に表れます。
- G dur（ト長調）
- D dur（ニ長調）
- A dur（イ長調）
- E dur（ホ長調）
- a moll（イ短調）
- d moll（ニ短調）
- g moll（ト短調）
- e moll（ホ短調）
音程（ピッチ・イントネーション）の心配をしなくてよい
メリット２つ目は、
音程（ピッチ・イントネーション）の心配から解放されること！
開放弦の音を弾く時は、演奏に対する心理的負担がちょっと減っている気がしませんか？（個人差ある？）
弓で弦をこすれば音が出るので、左手の心配をしなくても、音を間違える可能性が減ります。
弾く弦さえ間違えなければいいんだよね！
そうだね。
弦さえ間違えなければOK。
ポジション移動に余裕を持てる
メリット３つ目は、
ポジション移動（シフト）の時間を長くとれること！
開放弦を弾いている間に、ポジションチェンジしてしまえば良いんです！
時間と心に余裕が生まれて、一石二鳥。
オーケストラの曲で開放弦を使うデメリット
オーケストラで開放弦を使うことに対して、残念ながらデメリットもあります。
音質が曲の雰囲気にそぐわない時もある
開放弦は豊かな響きをもたらしますが、それが仇になる時もあります。
くすんだ音が欲しい時とか・・・。
また、（特にE線は）開放弦独特の金属的な音が、周りの音に比べて、異質に聴こえる可能性があります。
音程（ピッチ）を微調整できない
これ、わりと大きめな問題。
和音の中の音を鳴らすとき、開放弦で弾いていると、周りの響きに合わせてピッチを微調整できないんですね。
残念ながら開放弦を潔くあきらめたほうが良いケースも、多々あります・・・。
その楽器の最低音（ヴァイオリンならG線、ヴィオラ・チェロならC線）だったら、みんなに合わせてもらうほかないけどね。
オーケストラで開放弦は使ってもよい？使わないほうが良い？
オーケストラで開放弦を使うかどうか？
結論としては、
一概に言い切れません。
言いきれないんかい。
とは言え、
- 曲のその場の雰囲気を阻害しない
- 開放弦を使うことで演奏のストレスを軽減できる
少なくともこの2条件が揃ったら、開放弦を使って良いと思います。
でも、万が一、指揮者やトレーナーの先生から「そこは開放弦使わないで…」って指示があったら、従いましょう。
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ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。都立芸術高校・東京藝大をヴァイオリンで卒業後、東京藝大院修士ソルフェージュ専攻を修了。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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