楽譜の大きさや見た目が、譜読みに与える影響~すき間の多い楽譜を作ってみた~
突然ですが、大きな字と小さな字、どちらが見やすいですか?
オーケストラ
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好みは人それぞれかもしれません。
でも、小さい文字より大きな文字の方が読みやすいのは、事実でしょう。
文字と文字の間にすき間が生まれることが、理由の一つだと思います。
文字を音符に置き換えても、同じことが言えます。
些細なことですが、楽譜の大きさや見た目は、譜読みにも影響します。
楽譜のサイズや見た目が、譜読みにもたらす影響
ふつうの楽譜、ミニチュアスコア、指揮者が見る大判スコア・・・
楽譜にはさまざまな大きさのものがあります。
大きさ別に見ていきましょう。
小さい楽譜のメリット・デメリット
持ち運びに便利です。
文庫本や手帳と同じぐらいの大きさ。
さおだけ屋の本は比較用です。なぜなら、すぐそこにあったから。
全体像をパッと見渡したい時、小さい楽譜は便利です。
目玉を移動させなくて良いからです。
デメリットは、細部が見づらいこと。
虫眼鏡必須。
大きな楽譜のメリット・デメリット
細部まできっちり読めます。
虫眼鏡が無くても大丈夫。
デメリットは2つ。
持ち運びがかさばることと、お値段がちょい高めなこと。
ミニチュアスコアと指揮者用大型スコアを比べると、同じ曲でも、数千円は違います。
ぶっちゃけ、大きさと価格です。
ミニチュアスコアは手頃な値段で、カバンに入ります。
よほどこだわりが無い限り、オーケストラで楽器を弾く側の人は、ミニチュアスコアを持っていれば事足ります。
(・・・要するに指揮者以外、ですね。)
こだわり派のあなたへ
作曲家や作品に対する研究は日々進んでいて、業界かいわいでは時折、こんな話題が飛び交います。
今度、ベーレンライターからドヴォ8の新版が出るらしいですね。
(※2020/3/8追記:2018年に出版されました。)
ベーレンライター → ドイツにある楽譜出版社。
ドヴォ8 → ドヴォルザークの交響曲第8番のこと。
新しい版の楽譜が出版される時、大判スコアとミニチュアスコアの出版時期がずれる場合があります。
どうしてそんなことが起きるの?
大きな理由は2つ。
- 一つの楽譜が出版されるまでに、大勢の人が関わっている
- 研究は日々進んでいる
大判が出版されてからミニチュアが出版されるまでの間には、次のようなことが行われています。
- ミスプリの修正
- 大判スコアの出版時に判明していなかった新事実を反映させる
これらの違いを見て「ほー。」なんて思いを馳せるのも、楽譜を見る楽しみの一つではないでしょうか。
日本の出版社も負けちゃいませんよ。
同じ曲でも、解説や校訂の新しいものが出版されています。
余白の多い楽譜を作ってみた
楽譜の見た目による違いを実証すべく、余白を増やす加工をしてみました。
左が余白を増やした後、増やす前が右です。
余白を作るべく、コピーした楽譜を1段ずつにカットし、スケッチブックに貼りました。
この作業だけで1日終わりました(笑)←むしろ時間無駄なんじゃないか疑惑
余白ができて、書き込みも余裕になりました!
今まで見落としていたポイントにも気づきやすくなり、曲への理解が深まる可能性も上がりました。
心にも余裕を持って弾けそうです!!!
元も子もないこと言うけど、切り貼りするよりも、拡大コピーした方が手っ取り早いと思うよ。
※余白作っただけで満足しちゃダメです(笑)
見やすくなった楽譜をさらに読み直すのが大切!
そこで初めて効果を発揮します。
頑張ってください!!!