ヴァイオリンとソルフェージュの先生がザイツの伴奏動画を撮ってみた
思い立って、こんな動画を撮ってみました。
伴奏だけの動画です。カラオケ的な練習を想定しています。
曲は、ヴァイオリンお稽古の定番、ザイツのコンチェルト5番(1楽章)。
これが弾けたらファーストポジションほぼクリア!的な立ち位置にある曲です。
なぜ撮ったの?ヴァイオリン曲で伴奏だけの動画って意味あるの?
もちろん、撮る前に軽くリサーチしました。
ザイツ(のコンチェルト)の動画ってどんなのがあるんだろう?
そういえばちゃんと調べたこと無いな・・・
検索し始めると、けっこう興味深くてですね・・・。
- 音楽的な素晴らしさを追求した演奏動画
- いわゆる「お手本」的な演奏の動画
- ゆっくり弾いている動画
- ヴァイオリンだけの動画
- 先生がヴァイオリンもピアノも演奏して、後で合成してる動画
- 伴奏だけの動画
- ヴァイオリンで多重録音して伴奏パートを演奏してる動画
すごい!こんなに種類がたくさん!
中でも、私の興味を惹いたのが
ピアノ伴奏だけの動画。
ヴァイオリンの曲で、1人だけで弾く曲(=無伴奏の曲)って
とーーーーーっても少ないんです😱。
エチュード類はさておき、演奏会で取り上げられる曲に限ると
- バッハ 無伴奏ソナタ・パルティータ(全6曲)
- パガニーニ 24のカプリス
- イザイ 無伴奏ソナタ(全6曲)
- バルトーク 無伴奏ソナタ
- プロコフィエフ 無伴奏ソナタ
- クライスラー レチタティーヴォとスケルツォ・カプリス
- テレマン 12のファンタジー(幻想曲)
・・・これ以上思いつかない。(気になる人は検索してください・・・)
要するに「数えるほどしかない」と。
そうなんです。
何が言いたいかというと、
ヴァイオリン習うなら、ピアノパートにも関心を持ちましょう😄
1人だけで弾く曲はほとんどありません!オーケストラや室内楽も含めたら・・・(以下略)。
諸事情により伴奏がつくのは発表会の前だけ・・・というお教室もあると思いますので、そのような方にも活用してもらえたら嬉しいです。
ヴァイオリンの曲でピアノ伴奏をつけてわかること
伴奏をつけると、1人で弾く時よりも関心が向きやすくなるポイントが2つあります。
それは、長めの休符と和音です。
長めの休符の時、なにする?
ヴァイオリンは、キレイな音を出すまでのハードルが高い楽器です。
悲しいけど、否定できない事実😢
その反面、
音を出すことに関心が行きがちで、音が無い瞬間への意識が飛びがち
とも言えます。
伴奏をつけると、
自分が弾かない時(=休符)にも何かある!
ってことに気づきやすくなります。
んー、それはわかるんだけどさぁ。具体的にどーすればいいの?
いちばん簡単な方法は
間奏も含めて曲を覚えてしまう
ことです。
「間奏」と言えるほど長くない、むしろ「合いの手」と呼んだほうが近い場所もありますね。
今回の動画(ザイツ5番の第1楽章)はヴァイオリンがわりと弾きっぱなしの曲なので、間奏や合いの手に関してあまり問題にならないですが、
5番の第3楽章や、2番の第3楽章は間奏がありますので、避けて通れないハードルだと思います。
和声を気にする習慣づけ
ヴァイオリンは単旋律楽器です。
物理的には重音も弾けますが、曲の大部分は単音で弾きます。
だからと言って、和音を全く弾いてないわけじゃありません!
分散和音(ばらした形)で演奏しているケースが多いです。
たとえば、ザイツ5番第1楽章のここ。
よく見たら、3種類の音しか弾いてないんです!
出てくる順に、A→E→Cis。
要するにラ・ド・ミ(移動ドならド・ミ・ソ)ですね。
ほいじゃ、ここでピアノが何をやってるかというと。
A, Cis, Eだ!ヴァイオリンと同じ音!
ほえーっ。全然考えたこと無かった。
例に挙げた場所は、ヴァイオリンとピアノが同じ和音を弾いているという、非常に単純な仕組みでした。
で、それが何か?関係あるとでも?
ピアノが何をやっているのか気にする習慣をつけておく、というメリットはあると思いますよ。
あと、和声に対する意識づけの意味でも。
ザイツの協奏曲を弾く段階では、あまり気にしなくてよいことかもしれませんが、
ベートーヴェンのスプリングソナタを弾いてみたいと思った時。
オーケストラに入った時。
避けて通れない問題になります。
相手がやってることを知る。それがアンサンブルの第一歩。
他の伴奏動画とここが違う!ヴァイオリンとソルフェージュの先生ならではのポイント3つ
どうせなら、誰もやってなさそうな動画を撮ろうと思いました。
- テンポは遅すぎず、速すぎず。
- ヴァイオリニストならではの「間」の取り方
- 動画を見ながら、弾きながら確認できる、ワンポイントアドバイス付き
テンポ設定は難しい
理由は単純。
速すぎる→大多数の人にとって練習用の意味を成さない
遅すぎる→音楽的に苦しい。
音楽の流れを損なわずに、練習用として成立しそうなギリギリのラインを攻めたつもりです。
ヴァイオリンの都合でメトロノーム的に進みたくない場所がある
ヴァイオリンパートの音だけを追っているとわかりにくいのですが、
楽譜に書ききれない程度の、びみょうな間をとりたい時があります。動画だとこのへん。
装飾音や移弦の都合です。
(最終的には、習っている先生の指示に従ってほしいですが、)
装飾音もお客さんにちゃんと聴こえるように弾いてほしいし、そのためには音を出す準備の時間が必要なので、
ここはあえてメトロノーム的に弾いていません。
ワンポイントアドバイスを入れてみた
単に演奏動画をアップするだけじゃつまらないので、余計なワンポイントアドバイスを入れてみました。
どちらかというと、ヴァイオリンじゃなくて、和声のほうがメインです。笑
もう一つの理由は、編集ソフトを使う練習のため。
他の曲も作ろうとしています。
ザイツ、アッコーライ、リーディングなどの、おけいこ定番曲は網羅したい計画です(計画倒れにならないよう気をつけなきゃ)。
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