「弾ける」「弾けた」ってどんな状態?定義は?
レッスンやオケ指導をしていると、いろんな人のいろんな話を聞けるので、とても面白いです。
面白い話、興味深い話、自分が知らない世界の話…。
ところが、しばしば、気になる発言も聞こえます。

家では弾けたんですけど…

先週は弾けたんだけどなぁ…

うんうん、よく聞く。
その後に、こう言われたこと、ありませんか?

本当に弾けたの?
「弾ける」の言葉が指す状態が人によって違うために起こる、ある種の行き違いですね。
さて、「弾ける」「弾けた」とは、一体どんな状態なのでしょうか。
音とリズムが読めたら、弾けたと言える?
いわば、最低限の譜読みができた状態。
指使いやボウイング(弦楽器の場合)はさておき…といったところでしょうか。

ほんとだ!
楽譜をよ~く見たら、音とリズム以外のことも書いてある!
そもそも楽譜には何が書いてある?
楽譜には、その曲の情報がたくさん詰まっています。
音符と休符だけではありません。
文字や記号で書かれているものだけを挙げても、音量、表情、指使い…きりがありません。

「書かれているもの」ってことは、楽譜に書いてない情報もあるの?

ピンポーン。正解。

えー、むずかしそう・・・

「行間を読む」みたいな感じだよ。
「ここは嬉しい場面かな」とか「悲しい場面だなぁ…」とか…。

なるほど!ちょっとはわかりそう!
こうやって見ていくと、「音とリズムが読めたから弾けた!」とは言えなさそうです。

そもそも、楽譜を読むのと楽器を弾くのは、同じじゃないですもんね。

止まりながらだけど、1回通して弾けたから、弾けたと言える?
単刀直入に言います。
弾けてないよ。
残念だけど。

えー(泣)
演奏が途中で止まる=音楽の流れや体の動きを、体得できてないのです。

止まった場所の楽譜を、よ〜く見てみましょう。

はい、えーと・・・・・・・・・どこだっけ。
あー、あったあった。ここだ。

そこに休符、ありますか???

・・・・・・・・・・無いなぁ。

作曲家が書いてない休符を足しちゃダメですよ。

はい・・・。
(まだまだ修行が足りないなぁ・・・・・・・。)

1回だけだけど、間違えずに止まらずに弾けたから、弾けたと言える?
「間違えずに止まらずに弾ける」だけなら、いちおう弾けたと言っても良いでしょう。
引っかかるのは、1回だけだけどの部分。

え、1回できたんだから良いよね?

まぐれかもしれないじゃん?
まぐれはまぐれでしかないのです(苦)
目指せ!百発百中。

道のりは遠いにゃー。
でも、百発百中でできたら、本番でもうまくいきそうな気がするにゃ!

なるほど。
緊張するといつものようにはいかないですしね。
そのぐらいの気持ちでいたほうがよさそうですね。

自分の思う表現ができたから、弾けたと言える?
もちろん。
楽譜の情報を正確に読み取った上で、ならね。それできる人は、きっとこのページ読まなくて大丈夫です(←早よ言いなはれ)。
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ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。都立芸術高校・東京藝大をヴァイオリンで卒業後、東京藝大院修士ソルフェージュ専攻を修了。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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