練習指揮者やトレーナーは何する?本番指揮者との違い
本番指揮者のほかに、練習を指導する指揮者やトレーナーを置いているオーケストラもありますよね。
両者とも、前に立って指導する存在という意味では同じですが、役割はちょっと違います。
本番指揮者と、練習指揮者(下振りとも言ったりする)、トレーナー。
この三者の境界線は、とても難しいのです・・・
今回は、練習指揮者とトレーナーについて、掘り下げてみたいと思います!
※文中、練習指揮者とトレーナーをまとめて「指導者」と書かせていただきます。だって「練習指揮者とトレーナー」って11文字もあって長いんだもん
譜読みの段階で練習指揮者やトレーナーがやること
・・・本番指揮者に指摘させるような内容ではありません。
本番指揮者が来た時には、既に、音楽的な指示を出せる段階に達していることが(高いかもしれないけど)理想です(理想と現実の違いはさておき)。
したがって、理想に近づけるような土台を作っておくのが、指導者の役割となります。
まずはここ。いわゆる「譜読み」です。
最低限、楽譜に書かれている基本情報を押さえる。
その2(弦楽器の場合):ボウイングや弓の使い方について、方向性を揃えること
指揮者の指示での変更はあり得ますが、ある程度の方向性を揃えておくと、練習を進めやすくなります。
時には、具体的な指使いや弓の使い方について、指示を出す必要もあるでしょう。
もちろん、その場ですぐに改善できることばかりでは無いと思います。
宿題が山のように積み上がっていくこともしばしば(苦笑)
でも、希望があれば大丈夫。
私はいつも、 練習すればできる! と希望を持って練習場を後にしていただけるよう、心がけています(^^)
練習指揮者やトレーナーに求められる能力とは?
ある程度練習が進んできたら、音間違いやリズム間違いは解消しつつあることでしょう。
その段階に来たら、指導者には、どのような能力が求められるのでしょうか。
アマオケは、価値観はもちろん、音楽知識も多種多様な人々の集団です。
指揮者もいろいろなタイプの人がいて、言わんとしていることがオーケストラに全て伝わっていたりいなかったり・・・します(汗)
そんなことが起きている時は、本番指揮者の音楽的な指示を噛み砕いて具体的に演奏法や改善案を提示することも、指導者の役割でしょう。
普段の(譜読みの段階とか)の様子を知っているだけに、現状に応じた改善案や練習法を出しやすい側面もありますね。
さて。
ここで練習指揮者やトレーナーに求められる能力は、 物事を本質的に理解する力 です。
多面的なものの見方とも言えるかもしれません。
指導者と本番指揮者の両者が、 本質的な意味で言っていることが同じであれば、特に何も問題は起きません 。
「言い方や見ている角度が違うだけで、本質的には同じことを言っている」とオーケストラが認識すれば良いだけの話です。
(↑これを理解して頂くための説明が必要な場合もある)
いっぽう。
本番指揮者が来る前に作っていたものと、方向性がまったく違うこともあるでしょう。
どんな指示が来ても対応できる状態にしておくのが理想ではありますが、なかなかムズカシイ!!!
指導者の側にも、本番指揮者の言葉の裏を読むとか、様々な解釈の演奏を聴いて表現の多様さを知るとか、内心で葛藤するとか、そんなんがあったりも。
練習指揮者やトレーナーの音楽性や個性はどこに出る?
本番指揮者の他に指導者がいる場合、「練習指揮者やトレーナーの音楽性や個性はどこに出る?あるいは、どこで出す?」と思われたかもしれません。
その演奏会の演奏における全責任は本番指揮者が持っていますから(おそらくw)、指導者の個性は前面には出てこないかもしれませんが、どこかしらには垣間見えるでしょう。
たとえ、本番指揮者と指導者の間に師弟関係があったとしても、完全コピーにはならない可能性が高い。
なんてったって、にんげんだもの。
「楽譜の通り」が人によって違う=解釈の違い
ひょっとしたら、本番指揮者と指導者の両者とも「楽譜の通り」と言っているかもしれません。
でも、「楽譜の通り」の内容がまるで違ったとしたら・・・
それは、両者の解釈の違いと言えるでしょう。
同じ小説を読んだり同じドラマを見たりしても、読んだ人全員が同じ感想を言うわけないのと同じです。
この解釈の違いが楽しめるようになったら、シメたもの。
どうか楽しいオケLifeを。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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