聴く練習の究極は、アンサンブルだ。
相手がやってることを聴く。アンサンブルのすべては、そこから始まります。
聴くことは、音楽の総合的なトレーニングへとつながっていきます。
アンサンブルを通じて気づくこと5つ
1人じゃ気づかない、相手がいるからこそ気づくポイントを5つ、挙げてみます。
いつのまにか乱れるテンポ
自分では一定のテンポで弾いているつもりでも、実際そうでもない時があります。
相手の弾いている音が、テンポの乱れをそっと教えてくれます。
リズムの仕組み
このリズム、よくお見かけしますね。
便宜上4分の2拍子で書きましたが、4分の3拍子でも4分の4拍子でも出てくるリズムです。
このリズムの2拍目ジャストの位置、パッと答えられますか?
また、その場所を意識して演奏できていますか?
(できるよ!という方は次へ読み飛ばしてください)
理論上でわかるのと、体感でわかるのには、ちょっとした違いがあります。
2拍目ジャストの瞬間に相手の音があれば、目印にすることができます。
(・・・耳だから耳印かな?)
呼吸が必要
歌を歌う方や、呼吸しなきゃ音出せない管楽器を吹いてる方にとっては「・・・当たり前でしょ?」なことかもしれません。
でも、ピアノや弦楽器など、呼吸しなくても音を出せてしまう楽器を弾く人からすると、見過ごしがちなポイントです。
ハモるということ
本当に調和して響いた美しい音、体感したことがありますか?
チューニングメーターと睨めっこした結果ではなく、お互いに微調整しあって、生み出されるやつです。
得も言われぬナニカ。
ちなみに、国語辞典によると「ハモる」は、 ハーモニーを動詞化した言葉 なんだそうですよ。
今日知った。
全体像が見たくなる
「パート譜」という単語から察しておられるかもしれませんが、あなたが弾いている音は、全体の一部分でしかないのです。
設計図や見取り図のような、手っ取り早く全体を見るおススメグッズは、何と言ってもスコア。
全体を知った弾き方と、自分のパートだけ極めた弾き方には、雲泥の差があります。
アンサンブル 超入門編
ここまで、アンサンブルを通じた気づきを5つ挙げてきました。
すぐに具体的な練習方法を思いついた方もいれば、「・・・実際どうやればいいの?」と思われた方もいることでしょう。
「超入門編」と題して、方法をご紹介します。
まずは2パートから
いきなりトリオだのカルテットは、ちょいとハードルが高い。
まずは 2パートのアンサンブル をおススメします。
とりあえず、相手の音を聴けば良いんです。
楽譜屋さんに行って、自分でも弾けそうな二重奏の楽譜を買って、誰かをお誘いしてみましょう。
先生と生徒でのアンサンブルもおススメです。
ヴァイオリンの「ホーマン」や、最近あまり使われないでお馴染みピアノの「バイエル」など初歩段階の教則本にも、含まれていますよ。
慣れたらパート(人数)を増やす
最初は戸惑ってカオス状態になるかもしれませんが、徐々に慣れていけば良いのです。
相手が音色や音域が全く違う楽器のほうが、聴き分けやすいと思います。
パートが増えていった究極が、オーケストラです。
1人でも無理じゃない
一人二役での練習です。残念ながら、多重録音の話ではなく・・・。
単旋律楽器なら2パートが限界ですが、ピアノが弾ける人の場合、パート数は無限に増やせます(※指が足りなくならない限り・・・)。
でも、吹きながら歌うのは無理か・・・汗
リズムだけでも立派なアンサンブル
「リズムアンサンブル」というジャンルがあります。
もちろん、そのジャンルのための曲があるわけですが、 今やっている曲のリズム要素だけ取り出す のも、立派な練習であり、アンサンブルなのです。
選曲は意外と大事
ここまで書いたこと全てに共通するのは、相手の音を聴くこと。
「音出すだけで精一杯・・・」の状態では、その目的を達するのは難しいですね。
なので、自分の実力に対して余裕がある選曲をおススメします。
目安のひとつは、「初見でも弾けそうなやつ」。
「簡単すぎる!」のレベルから挑戦するぐらいが、成長を実感する上でも、ちょうど良いのかもしれません。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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