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曲の全体像を知ろう!スコアリーディング入門編

2018-06-06アマオケ,ソルフェージュアンサンブル,オーケストラ

「スコアリーディング」とも呼ばれる行動、スコア読み。

「スコア見て!」って言われたけど、どうすればいいの?
ぶっちゃけ、どこをどう読めばいいの?

と絶望しているアナタへ贈る、スコアの読み方(入門編)です。

そもそもスコアって、何が書いてあるの?

Music, Score
日本語では「総譜」と訳されます。すべてのパートが一まとめに書かれていて、指揮者はこれを見て指揮をしています。
しばしば「伴奏譜」と呼ばれているアレも、すべてのパートが書かれているという意味で「スコア」に分類できます。
決して、遠い存在ではないのです。

指揮者は大きいサイズのスコアを使いますが、楽器を弾く人はミニチュアスコアで大丈夫。
文庫本よりちょっと大きめのやつ。通勤カバンにもラクラク入りますね。
中身は、大きいやつの縮小版と思えばOK。

さあ、お手持ちのスコアを開いてみましょう。
目には何が飛び込んで来ましたか?
音符、休符、cresc.だの、dolceだの、muta in Aだの、アルファベットの羅列・・・

そう、ここには 曲のいろんな情報すべて が詰まっています。

 

スコアの仕組みを知ろう

オーケストラのスコアを例に、考えていきましょう。

楽器の並び順は決まっている

とりあえず、大ざっぱなルールを覚えておけばOK。

    • 上から、木管楽器→金管楽器→打楽器→弦楽器
    • 同じセクション内は、音域が高い楽器が上(下に行くにつれて音域が低くなる)。ただし、ホルンは例外的にトランペットより上に書く。
    • 独奏楽器、合唱、ハープなどは、打楽器と弦楽器の間に書く
マメ知識
ホルンをトランペットより上に書くのは、ホルンには木管楽器と金管楽器を中和させる役割があるためです。

 

1段だけ調号が違う!移調楽器の存在

曲にもよりますが、他の段と調号が違う楽器、ありますね。
クラリネット、ホルン、トランペットに出現率高し。
ちょっと気になるけど、ミスプリでも何でもありません。

彼らは移調楽器と言って、「ド」の指使いで吹くと「シ♭」が鳴ったり「ファ」が鳴ったりする楽器なのです。
時には、楽器の都合で、読み替えて吹いたりもします。

とりあえず書いてある音と違う音が出ると思っておけば大丈夫。

※プロコフィエフなど、移調楽器も実音(実際に鳴る音)で表記する作曲家もいます。

 

見慣れない音部記号・・・

clefclef
わりとお馴染みな、ト音記号とへ音記号。

スコアでは、この他に「ハ音記号」が使われます。
ヴィオラ、チェロ、ファゴット、トロンボーンの方にとっては日常お付き合いしている記号ですが、そうじゃなければ日常で接点は皆無でしょう。
ハ音記号のグッズとか、ト音記号に比べたら全然少ないしね・・・。

ちなみに、ハ音記号と一口に言っても、書く場所によって呼び名が異なり、ヴィオラに使うのは「アルト記号」、チェロに使うのは「テノール記号」と呼びます。
さて、どこが違うでしょうか?よ~く見ればすぐわかりますよ!
ハ音記号について、詳しくはこちらをどうぞ。


 

 

いよいよスコア読み入門!

やっと本題。
どうやって読んでいくか、スコアから何を読みとるか、順を追ってみていきましょう。

 

まずは、風景として眺める

経験上、 ページ全体を風景として眺めるところからスタート するのをおススメします。

私はかつて、「スコアをめくりながらCDは聴くけど、見ているのは自分のパートだけ」という状態でした。
つまり、「やたら、めくりの多いパート譜」に成り下がっていたのです!
たくさんの情報が詰まっているにもかかわらず!!!

それに気づいた私は、スコアとの向き合い方を変えました。
まず、全体を景色として眺めながら音源を聴くようにしたのです。

 

その結果、自分が弾くパートを、こんな点に注意して聴けるようになりました。

  • 音程に気を付けた方が良いところ
  • テンポやリズムに気を付けるべきところ
  • 弾きにくいけど、特段目立たないところ
  • 背景に徹するところ
  • 絶対ハズせないところ

練習のポイントも絞れ、時短になり、なにより練習がラクになりました♪
全体像をパッと見るのに便利なスコア。まずは全体を見ることからスタートです。

 

自分と同じ動きのパートを探す

全体が見渡せたら、身近なところを攻めていきます。
自分と同じ動きをしているパートを探しましょう。意外や意外、すぐ見つかりますよ!
同じ動きをする仲間がいるとわかるだけでも、気持ちは変わりますよね♪

全くいなかったら・・・パートソロかな?練習頑張りまひょ。

メロディっぽく動いていても、3度違いなどでハモっていることもあります。

・・・・・・・だからなに?

そこまでわかれば大収穫。
 メロディにくっついて動けば良い ことがわかったも同然なのだから。

 

メロディ?和音?飾り?合いの手?

自分のパートは今どんな役割を担っているのか、考えましょう。
ハンバーグでいうところの、肉なのか、ソースなのか、付け合わせの野菜なのか、彩りのパセリなのか、はたまたお皿なのか・・・。
Hamburg, Steak

 

具体的には、こんな感じ。

  • 主旋律なのか対旋律なのか
  • 土台としてみんなを支えているのか
  • どこかのパートと一本の線のように動くのか
  • 絶妙に「なんでやねん!」とツッコむ役なのか

音それぞれに与えられた役割を知ることで、弾き方はもちろん、練習の方向性も見えるようになります。

ポイント
「弾いててナゾなんだよねぇ・・・」と思える所は、メロディじゃない確率が高いですよ。
静かな場所にもかかわらず音符がやたら細かい時も要注意。飾りの可能性があります。
 

コンチェルトのソロパートは、これらの合わせ技

コンチェルト(協奏曲)のソロパートを練習する時にも、スコア読みは欠かせません。
たとえ、ピアノ伴奏で弾くとしても。

ソリストが目立つように書かれている所が多いですが、よ~く読んでいくと、ところどころオケがメインになるんです。間奏以外でも
・・・よ~く考えたら、コンチェルトってオーケストラありきで作曲されてるんだから、当然のこと。
そこに気がつくまで、私はずいぶんと時間がかかりましたが、気づいてからは練習がラクになりました!

 

スコア読みの効能

「効能」っていうと、なんだか漢方薬みたいですね~。
でも、スコア読みは本当に良いことずくめでした。

 

今まで聴こえなかった音が聴こえた!

スコアを読んだ後でCDやYouTubeを聴いたら、とてもビックリなことが起きましてね。

 

 

 

なんと、今まで聴こえていなかった音が聴こえてきたのです!
・・・正確には、聴き過ごしていた音というか。

カクテルパーティ効果」という言葉、聞いたことありますか?
騒がしい中でも自分に必要な情報は聞き取れるという、アレです。

実際に起きたこと
Before→自分が弾くパートのみを拾い出して聴いていた
After→今までシャットアウトしていた部分を聴けるようになった

素直に嬉しかったです。
自分の世界が広がった瞬間を、この耳で体感できたから。

 

全体を知るとモチベーションが上がる

「石を積む人と教会を造る人」の話、ご存知ですか?
教会の建設現場を通りかかった旅人が、そこにいた職人に「何をしているのですか?」と尋ねたところ、1人は「石を積んでいる」と答え、もう1人は「教会を造っている」と答えたという話です。

全体を知らずに目の前の楽譜と対峙するなら、ただ石を積んでいる人と同じ。
自分のパートに与えられている役割を知って、共同でなにかを作り上げてる感じを、少しでも多く味わいたいものです。

 

スコアは怖くない。むしろ楽しい

どうか、最初から「書いてある音を全部読まなきゃ!」と思わないでください。
最初に見るべきところは限られています。
読み方さえわかってしまえば、何も怖くないのです。

えー、ハ音記号めんどくさいよー
本当に必要な情報は、「何の音が鳴るか」ではなく「どんな動きをしているか」なのだから、ぶっちゃけ、ナニ記号でもあまり関係ないんじゃないかなー。

曲の全体像を知って、より楽しく演奏しましょう!