アマオケ選曲あるある
アマオケでとっても大事な行事、選曲。
こんなにも熱心になるものなのかとビックリすることもあります。
独断と偏見で、あるあるネタを書き出してみようと思います!
※すべての団体に当てはまる話ではありません。
古典やバロックものは簡単・・・じゃないのに。
古典派やバロックの曲は、音が少なくて繰り返しも多いし、カンタンだよね!
※古典派→ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなど
バロック(時代)→主にバッハ、ヘンデルなど
全力で否定します!!!!!!!!!!!!!!!!
端的に言うと、
音符が少ない=1つの音符が持つ意味や重みが大きい。
つまり、
意味の大きい音符1つ1つを、納得いく音で演奏することが必要です。
・・・いっこも簡単な要素が見当たりませんね。
音符の量と曲の難しさは、比例しません。反比例って訳でもないけど・・・
「ボロが出やすく手ごわい」「自由曲のコンクールで出すのは勇気いる」と言われます。
基礎ができているか否か、一発でわかるからです。
管楽器の出番が均等に回るよう配慮した結果・・・
少なくとも日本のアマオケ業界の人口比率(潜在的なものも含む)は、管>>>>>弦です。
そこで生じる現象が、
団費払ってる人の乗り番が均等になるように、選曲で調整すること。
大まかに2パターンあると思います。
その1:古典ものをメインに据えると、前半は金管大活躍
ロマン派以降の曲に比べると、古典派の曲は、トロンボーンの出番があまりありません。
テューバに至っては、古典派の時代にはまだ楽器が発明されてなかったので、出番は当然ありません。
というわけで、プログラム前半に金管が大活躍する曲が入りがち。
その2:曲のオーケストレーションと、管VS弦の人口比から生じる問題
弦楽器の団員が大勢いるオーケストラなら、そうそう大問題にはならないかもしれませんが・・・。
金管が活躍する曲は、往々にして、弦楽器で必要な人数は、多くなります。
すると、弦楽器が少ないオーケストラの場合、エキストラ奏者を増やすことになります。
時には「エキストラ比率3分の2以上!」なんて現象も。エキストラ予算も増えますね。
エキストラ奏者には、金額の大小はさておき、謝礼が支払われます(プロとアマで額は違う)。
中には「団費払うの馬鹿馬鹿しいからエキストラでいろんな団体渡り歩こうっと」と考える人も。
管は募集停止、弦は絶賛大募集中な団体のカラクリに通ずるものがあります。
弦楽器が大勢いるオーケストラでも、人数比が「その他大勢に紛れたい人>>>>>>>>腕達者な人」になっちゃったらツラいけどね。
特殊楽器は?
曲によっては、オーケストラで使う機会が少ない、ちょっと特殊な楽器が必要になったりします。
ハープ、チェレスタ、ピアノ、パイプオルガンが代表例でしょう。
あとは鐘とか(ベルリオーズの幻想交響曲など)・・・。
- 借り賃、運搬費などの費用を捻出できるか
- 奏者のアテがあるか
- 他の楽器での代用を指揮者が了承してくれるか
- (パイプオルガンの場合)ホール備え付けの楽器がない場合はどうするか
いちばん気になるのは、費用と奏者でしょう。
ある程度見込みを立ててから選曲候補に挙げることをおススメします。
4点目に挙げたパイプオルガンですが、これはもはや楽器じゃなくて建築物の領域に入りますw
パイプオルガンのあるホールを借りられればベストです!
それが無理な場合は・・・指揮者と相談しましょう。
電子楽器での代用を、良しとしない考えの方もいらっしゃいます。くれぐれも慎重に。
舞台の大きさ
プロオケが定期演奏会を開催するホールならあり得ない問題かもしれませんが、「なんとか市民会館」みたいなホールだと起き得る問題。
舞台が狭い曲で、オケが舞台からはみ出たりする問題、起きるよ。
大編成の曲とか。
借りたホールの舞台寸法と奏者の人数とティンパニの面積と・・・
いろいろ考えましょう!
ホール練習やってみたらあれ!入らない!なんてケースもありましたよ 苦笑
やりたい曲=演奏可能な曲とは限らない
言うまでもなく、やりたい曲と演奏できる曲がイコールになれば、それはそれは幸せです☆
阻む壁は、物理的な問題と技量的な問題と費用の問題と・・・(以下略)
演奏会全体のバランスや時間
自分たちがやりたい曲をやるのも大事ですが、これを忘れてはなりません。
お客様あっての演奏会ってことを。
大曲ぞろいの演奏会は、奏者のスタミナも去ることながら、よほどマニアなお客さんでない限り、聴いてて疲れます(笑)
でも、プロなら絶対やらないであろう組み合わせが聴けるのも、アマオケの魅力・・・!!!
あー、考え始めると難しい・・・。
2曲プロをやる時のひと工夫
演奏会の最初に、短い序曲が演奏されることが多いです。
理由の一つは、「遅れてくるお客さまの救済」です。
遅れてきたお客様を1曲目が終わるまではロビーで待機させて、1曲目が終わったタイミングで入場させる、あれね。
2曲プロ(前半1曲、後半1曲)の場合、協奏曲など長い曲がいきなり始まりますので、この救済作戦が不可能。
1楽章が終わってから入ってもらえばよくない?
その考えはすごくわかる。
でも、楽章と楽章の間は、言ってみれば、曲の途中。
長時間客席がザワザワ・ガサガサするのは、演奏者のテンション的にあまり歓迎ではないのです。
じゃあどうしろって!?
定刻より遅れて開演すると良いですよ。
定刻ギリギリで駆け込んできたお客様に入場してもらってから開演すると、楽章間で入場するお客様の数を減らせます。
ステージマネージャー、ロビー担当者、チケットもぎり担当者の連携プレイが光ります♪
コンチェルトやりたいね!・・・ソリストどうする???
特殊楽器のケースと似ていますが、奏者の目星をつけてから候補に挙げることをお勧めします。
ソリスト側も、レパートリーにある曲とない曲があって、準備期間が必要なのです・・・。
(重要)でも。頼まれたら尻尾振ってお引き受けします。よろしくお願いします。
私はこう考えてます
私自身が、アマオケ選曲でいちばん大事だと考えていることは、こうです。
その曲をやりたいと思う気持ち!
なので、基本的に口を挟むことはしていないつもり(むしろやいやい言いたくないw)。
ただ、どう転んでも無理があるんじゃないかな?と思う時は、例外です。
「その大編成、舞台狭いから乗りきらないと思いますよ~」とかね。
何でもかんでも「無理無理」って言ってたら、いっこも先に進めないし。
私もまだまだ知らない曲がたくさんあるので、これからいろんな曲を知りたいと思っています。
今日も「カリンニコフの交響曲1番、すごくいい曲だよ!」と教えてもらったので、さっきまでYouTubeで聴いてたところ。
この記事が、ステキな曲を演奏するよりベストな状況を作る、助けになりますように。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
各種レッスン受付中!詳細は下記をクリック!