初心者が気になるポイント「どのぐらい弾ければアマオケに入れますか?」への答え
某知恵袋さんでも、この手の質問をよく見かけます。
「スズキの*巻が目安」「セカンドヴァイオリンならいける」という記述も見られますが、本当にそうでしょうか?
ヴァイオリンでアマオケに入って楽しみたいあなたへ、楽しむために知っておきたいポイントを紹介します。
オケ曲のヴァイオリンパートを弾くハードル、とりあえず4つ。
オーケストラ曲の楽譜をパッと見ると、有名なヴァイオリン協奏曲の楽譜よりも、断然カンタンに見えます。
・・・・・・・・・・。
残念ながら、それは立派な落とし穴。
なぜ落とし穴なのか、オケ曲を弾くのに必要な技術をおさえながら、考えていきましょう。
指使いを自分で考える
意外と見落とされがちな落とし穴、指使い。
教則本や、市販の楽譜なら、何かしらの指使いが印刷されているケースがほとんどだと思います。
先生にところどころ直されることもあると思いますが、書いてある通りの指使いで弾けば、いちおう何とかなりますよね。
でも、オケの楽譜に、指使いは書かれてません。
ノーヒントで超難問クイズに挑むようなものです。
「でも、どこでポジション上がればいいんだろう?」
「ここって、開放弦使っていい音なの?」
「うわーなにこの半音階(絶望)」
大丈夫。
今までレッスンを受けてきたのなら(あるいは部活などで経験を積んでいれば)、少なからず、何となくわかる所があるはず。
わからない所は周りに聞くなり、レッスンで先生に聞くなりすれば良いんです。
そのうち、指使いの法則性にも、何となく気付けたりします。
「音程が不安だから1stポジションで頑張る!」という方もいらっしゃいますが、必ずしもそれが良いとは限りませんよ。
バラエティに富んだ弓の使い方
オケの曲では、ふつーに弾くだけじゃなく、多種多様な弓の使い方をします。
思いつくままに挙げるだけでも、こんな感じ。
- ベタ弾き
- 飛ばし弓
- 半飛ばし
- 全弓
- 弓先で
- 弓元で
- 真ん中で
- 元から3分の2
- 弓の毛を3本だけ使うような感じ
- ゆっくり動かす
- 速く動かす
- ふつうの速さ
- 全弓だけど最初と最後はゆっくり、真ん中は速く
- 指板上で(弓を指板上で擦る、スルタスト(sul tasto)と言います)
- 駒の上で(弓を駒の上で擦る、スルポンティチェロ(sul ponticello)と言います)
書き出してみたら意外と多くてビックリしました(笑)まだ全部は書ききれてないと思います(汗)
全てがカンペキにできなくても大丈夫ですが、ただ弓で弦を擦るだけじゃないという点は知っておきたいですね。
そう、上の方に書いてあるアレ。
これやるだけでも、ある程度はカバーできます。
テンポに乗る
「弾けるところは速く、弾けないところはゆっくり」になってませんか?
休符を数えていますか?
4拍子なのに、3拍子や5拍子で弾いていませんか?
テンポや拍子が無視され、練習とは呼べない練習になっているケースがあります。
オーケストラは、30人31脚どころか、100人101脚みたいなものですから、一定のテンポで練習しないと意味がありません。
※ソロの曲を練習する時は、ぶっちゃけ、テンポに乗れなくても何とかなる。
ただし、伴奏のピアニストが完全にアナタに合わせてくれることが条件。
そのうち、曲本来のテンポやノリがわかってきます。
ごまかし方を会得する
いくら楽譜の通り正確に弾けても、一人だけずれて弾いてたら、オケではアウト!
したがって、
多少誤魔化してでも流れについて行く>>>>>>>>>>>>>>>>>>>正確に弾く
となります。
そのうち、「頑張って練習した方が良いところ」「多少弾けなくても何とかなるところ」が、わかってきます。
「スズキの*巻が弾ければ・・・」の落とし穴
ここまで読んでくださったあなたは、もうお気づきかもしれません。
オーケストラは、 「教本の*巻まで行けば弾ける」とか、そういう話じゃない んです。
「何巻までいったか」ではなく、「それまでの過程をどう進めて来たか」の方が、大事なんです。
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「2ndヴァイオリンなら大丈夫」・・・ホントに?
これだけは断言します。
大丈夫じゃない。
「ぶん、ちゃっ、ちゃっ」とか、見た目簡単そうだし・・・。
はい、落とし穴。
単刀直入に言うと、2ndヴァイオリンは職人技です。
奥が深いんです。
見た目ほど単純じゃないです。
- メロディっぽく聴こえるけどメインじゃない対旋律を弾いてたら、いつの間にか「ぶんちゃっちゃ隊」に早変わりしている。
- 息つく間もなくツッコミ(合いの手)を入れ、今度こそ目立つぞ!と思った矢先、背景に早変わりする。
- 曲の最後はメロディの1オクターヴ下。
- キメの和音で弾く音は、組体操のピラミッドで例えると真ん中へん。
- ごくまれに美味しいメロディが回ってくると緊張する。でも嬉しいからはりきる♥
ものすごく目立つわけではないけれど、彼らが居なければオーケストラは決して成り立たない。それが2ndヴァイオリン。
・・・・・・・・七変化どころじゃないんです(;^_^A
だからこそ、楽しいとも言えます♥
結局何が言いたいかと言うと、
お願いだから、消極的な理由で2ndヴァイオリンを選ばないでください・・・。
アマオケにもいろいろある
アマオケと一口に言っても、成り立ちはさまざまです。
- 学校や職場など特定の団体がもとになっている
- 特定の作曲家しかやらない
- ある1人の指導者を慕って集まっている
- 自治体の名前を冠している
選ぶ理由もさまざまでしょう。
- 仲間に誘われた
- 年齢層が幅広いから自分でも大丈夫そう
- 同世代で集いたい
- 練習場所が家から近い、または通いやすい
- メンバー募集中の団体を探してたら見つけた
人の集まりですから、当然、相性はあるでしょう。
また、演奏している曲や母集団によって、「初心者歓迎」「経験豊富な方に限る」みたいな募集条件も、ずいぶん変わってきます。
「初心者歓迎」も、さまざま
多くの中学や高校に吹奏楽部があることからも、日本の管楽器人口(潜在的な部分も含む)は、かなり多いと推測できます。
音大で管楽器を専攻する人も、「部活で楽器始めました!」な人が相当な割合を占めています。
いっぽう、オーケストラ部や弦楽部のある学校は、そう多くありません。
音大でも、「小さい時から習いました~♪」な人がほとんど。
(唯一の例外はコントラバス。部活スタートな人が多い)
突然ですが、クイズです。
オーケストラの演奏風景を思い浮かべてください。
いちばん人数が多い楽器は何でしょう?
正解は、ヴァイオリン。
1stと2ndに分かれてることもあって、よほど小編成の曲でない限り、10人を下回ることはないと考えてよいです。
第2問。
オーケストラの中にフルートは何人いますか?
正解は、だいたい2~3人。
多くても4~5人です。
お気づきになりましたか?
潜在的な楽器人口に対して、そもそも、需要と供給のバランスがとれてないのです。
そこで、「管楽器は募集締め切り、弦楽器は足りないから初心者にも門戸を開いて人数を揃えよう作戦」になる団体もある、というカラクリ。
(ヴァイオリン教室やヴァイオリンの先生が母体(主体)となって活動している場合、これに当てはまるケースが多い)
自分が心地よく参加できそうな環境を、よ~く検討して選びましょう!
オーケストラに入りたいあなたのお手伝いいたします。レッスンお問い合わせ、お気軽にどうぞ! お問い合わせはこちらから |
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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