「譜読み」でやっていること~曲の基本情報編
突然ですが、譜読みと言われて、どんなことを思い浮かべますか?
では、1つずつ見ていきましょう。
曲名・作曲者
ごくごく基本的な情報ですが、千里の道も一歩より。
曲名から音楽のイメージを湧かせることができますし、おおよそのテンポが判る時もあります。
また、「ワルツ」「ガヴォット」など、ダンスの名称そのものが曲名になっていれば、音楽のテンポ=踊りのテンポであるケースがほとんどです。
作曲家によって、曲の特徴や傾向も違います。
早書きの天才、1曲に10年かけて作る人、聴きやすいメロディを書く人、難解な曲を書く人、死にそうなぐらい美しいハーモニーだらけな人・・・。
同じ人の作品でも、10代の時に書いた曲と死ぬ間際に書いた曲とで、全然印象が違うこともあります。
お国柄やお人柄も現れます。
楽器の特性をわかって書く作曲家もいれば、そうでない人もいます。シューマンのオーケストレーションなどは、よく引き合いに出されますね。さんざん叩かれてるけど、あれがシューマンの味でもあるのよね。
楽器編成
とっても大事(笑)
木管五重奏でやりたいのに、弦楽四重奏の楽譜があっても・・・困っちゃう(アレンジを加えたり読み替えたりすれば不可能ではないが)。
例えば・・・ドヴォルザークの「ユーモレスク」の原曲は、ピアノ曲なんです♪ちょっと意外!
ムソルグスキー作曲の「展覧会の絵」の原曲はピアノソロ。オーケストラ版は、ラヴェル編曲のものがよく演奏されます。
編曲された曲を演奏する時も、原曲のことを知ると、理解が深まりますよ♪
ト音記号?へ音記号?ハ音記号?
音を読む前に、まずは音部記号を見ましょう!
ト音記号、へ音記号、ハ音記号のことです。
五線上のどこを「ト(=G=ソ)」「へ(=F=ファ)」「ハ(=C=ド)」と読むかを決める記号です。
ハ音記号は種類が豊富
ハ音記号と一口に言っても、種類がたくさんあります。びみょ~な違い、探してみましょう!
主にヴィオラの楽譜で使う、アルト記号。トロンボーンでも時折り使います。 3番目の線をまたぐ音が、ピアノの真ん中のC音になります。 | |
テノール記号は、ファゴット・チェロ・トロンボーンで使われます。 下から4番目の線をまたぐ音が、ピアノの真ん中のC。 |
このほかに、ソプラノ記号・メゾソプラノ記号・バリトン記号があります。
ソプラノ記号 | メゾソプラノ記号 | バリトン記号(2種類あります) |
ソプラノ記号・メゾソプラノ記号・バリトン記号は、一般的にお目に掛かる楽譜に登場する機会は少ないですが、移調楽器を実音で読み替える時に、この記号が読めると、とてもラクなのです♪
私のト音記号脳みその場合は
- in A=ソプラノ記号
- in F=メゾソプラノ記号
- in G=バリトン記号
と脳内変換する形になります。
調号・調性
楽譜を見ると、音部記号の次には、シャープやフラットが書かれています。
ここを見ると、その曲の調性を、2択にまで絞ることができます。
♯が1つだとト長調かホ短調、♭が3つだと変ホ長調かハ短調となります。
ただし、移調楽器のパート譜を見る時は、in Cのパートの調号を確認しましょう。
でないと、痛い目にあいます(笑)
あと、バルトークも要注意!
「なんだ、♭2つじゃん!」と思ったら、こうなってることも。
ちなみに、通常はこう。
拍子
何分の何拍子かわからないことには、始まりません。リズム読めなくなるし!
拍子で大事なのは、 なに音符を1拍と数えるか(=単位音符) 。
4分音符を1拍と数える時の4分音符と、8分音符を1拍と数える時の4分音符では、リズムがだいぶ変わりますからね。
単位音符は、下の数字で表されます。
上の数字は、 何拍子か を表しています。
つまり、4分の3拍子は、4分音符を1拍とする3拍子となります。
よく「1小節に4分音符が3つ分入る」と説明されますが、アレだとちょっと説明不足なのです。
また、2拍子なら2拍子の、3拍子なら3拍子が独特のアノ感じは、周期的に強拍(=ダウンビート)が来ることによって生み出されています。
時折り乱されるのがまたイイんですよね♪ストラヴィンスキー「春の祭典」の最後の方みたいな。
ここまで来て、未だ曲の本体に到達できず・・・この先は「譜読み」でやっていること~音符に隠された情報編へどうぞ!
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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