音大卒社会人2年目が、演奏でもレッスンでもない仕事をして気づいたこと3つ
遡ること*年前。
音大卒社会人2年目だった私が気付いたことは、コレでした。
楽器弾く以外の仕事にも、音楽で培った何かは生きる!と断言します。
まえおき~図書館のお姉さんやってた時の話~
私の社会人2年目は、次の4つの仕事を掛け持ちする日々でした。
- 自宅や音楽教室で、ソルフェージュとヴァイオリンの先生
- 室内楽やソロでの演奏活動
- アマオケでコンサートマスター
- 大学内の図書館てきな業務をしている研究室で、カウンターのお姉さん
上から3つは、音大卒の人間がやる仕事としては「あるある!」です。
最後の1つだけは、「なんでそんな仕事してるの?」と、よく言われました。
結論だけ言うと、ご縁があった+成り行きです(笑)
音楽専門の図書を扱う研究室だったので、辛うじて、音大卒の経歴が生きました!
図書館のカウンターの人は、こんな仕事をしています(※私が勤めていた研究室の例です)。
- 本の貸し出し・返却の処理
- 期限を過ぎても返さない人に催促
- 新しい本を、貸出できる状態にする(シール貼ったり、ネットから検索できるようデータベースに登録する)
- ボロボロになった本の修理
- レファレンス(「○○について調べるにはどんな本が良いですか!?」みたいな質問に答える)
これらはあくまでも一例です。
図書館には、オモテから見えにくい、いわば裏方の仕事が、他にもたくさんあります。
その中で私は、上司と部下の両方がいる、いわば板挟みポジションでした。
カウンターの業務を回しながら、 (みんな年上+職場歴も先輩な)部下(って呼んでスミマセン・・・な皆さま) を束ね、上司とも上手くやるべく努力する日々。
なんですか、中間管理職とでも言うんでしょうか(汗)
現場のルーティンワークに加えて、上から降ってくる仕事を受け流し周りに割り振ったり、突発的なトラブルや事故に対応したり・・・というのを、社会人2年目のペーペーで現場の仕事も種類が多くて覚えきれなくて周りに聞きながら進めてたヤツがやってました。
演奏でもレッスンでもない仕事をして気づいたこと3つ
年齢も職場歴も先輩な皆さまに助けられながらチームをまとめる中で、私は気付きました。
仕事の進め方・チームのまとめ方・室内楽やオーケストラのリハーサルの進め方には、共通する何かがある。
私が気付いたことを3つ、ご紹介します。
1. ゴールが見えると優先順位が見える点で、仕事の進め方とリハーサルの進め方は似てる
仕事もリハーサルも、「何か1つのゴールに向かって動く」という点は、とても似ています。
リハーサルは、演奏会本番というゴールに向かうわけですからね。
たとえば・・・
仕事で突発的に、こんなゴールが出てきたとしましょう。
私がいた職場は、全員が毎日出勤するわけではありませんでした。
週3で出勤する契約の人もいれば週1の人もいたため、ルーティンワークを4人で回せる日もあれば2人で回さざるを得ない日もありました。
※テレワークができる業種とか環境じゃなかった(たぶん)。
急に入ってきたその作業を、毎日同じペースで進めるのは、無理です。
当然、ゴールの目測を立てて、作業スケジュールを逆算していく形になります。
ルーティンワークのうち、優先順位の低い仕事を中断するとかね。
でも、そうやって仕事を進めていくうちに、ゴールが見えると(=仕事の目測を立てられると)、作業の優先順位は自然に決まっていくことがわかりました。
どのように弾きたいか(=ゴール)が見えると、自分たちの演奏の何をどうやって直していくか、自然と見えてくる!と気づいたのです。
奏法とか、練習計画とか、どこを重点的に仕上げれば良いか、などなど。
2. 適材適所。その人の能力を生かすも殺すも、人員配置次第。
残念ながら、学校のテストで成績が良かった人=仕事ができる人ではありません。学校のテストとは違って、仕事は、正解が一つとは限らないからです。
当初の思惑とは違う結果が出ても、結果オーライ!になったり・・・
つまり、価値基準がひとつではないということ。
板挟みになりながらもチームで仕事をうまく進めるべく試行錯誤していた頃、人員配置も悩みの種でした。
でも、その人の特長・長所を生かした(短所やニガテが目立たないような)人員配置ができた時は、上手に仕事が回せていた記憶があります。
たとえば、こんな感じ。
- 他部署とのやりとり → 顔が広くて社交的な人や、愛嬌のある人
- 単純作業 → 1つの作業に集中するのが得意な人
- ルーティンワークでカウンターに立つ人 → 2つ以上の作業を同時進行できる人(本を借りたい人と返したい人が同時に来たりするので)
- 作業にミスが無いか見直す作業 → 細かいことに目が向く人
仮に、3の作業を、2の人に割り振ったとしたら・・・ご想像におまかせします。
人生、ニガテを克服する過程も必要ではありますが、得意なことを任せて(任せられて)自信を持つことは、もっと必要だと痛感しました。
ヴァイオリン弾きなら少なからず、1st向きの人か2nd向きの人かというのがあります。
(たま~に「じつはヴィオラ向き」もいる)
全体を見渡して立ち回れる人は、ひょっとしたら、役割がコロコロ変わる2ndヴァイオリン向きかもしれません。
オケの席順も、まさしく適材適所!!!
- 準リーダー的な人(トップサイドなど)
- 後ろから皆をまとめる人
- ハデじゃないけどきっちり仕事してくれる人
などなど・・・
それぞれの人の特長が生きる配置ができた時は、よりいい音が出てます(たぶん)。
3. 仕事も室内楽もオーケストラも、協調性やコミュニケーションはだいじ!
室内楽もオーケストラも、自由をはき違えて自分勝手に弾く人がいると、成立しません。
周りと呼吸を合わせないで弾くことは、室内楽やオーケストラでは致命傷です。
チームで動く仕事も同じ。
独りよがりで、周りと最低限のコンタクトもとらずに作業を進めていくと、周りが困ってしまいます。
進捗状況の報告が無かったために、全く同じ仕事を2人で同時並行していたことが発覚して時間が無駄になったり とかね。
3-1. 周りに合わせすぎるのも良くないからムズカシイ
「協調性が大事」と言っても、次のようになってしまっては、面白くないと思います。
- 周りに合わせすぎて、自分が息苦しい
- なんでもかんでも「はい」「わかりました」の一言で受け入れる
2番目のケース、なんだか「社会の歯車」という言葉がしっくり来る感じがしませんか?
上司からは使いやすいヤツに映るかもしれませんが、 人間的な何かを棄てている 気がします。
質問も反論も主張もしないのは、何も考えてない=思考停止している証拠だと思うのです。
室内楽やオーケストラのリハーサルでは、曲の捉え方や弾き方が違っていたら、お互いに考えを主張し合って、どちらかに合わせたり、折衷案を出したりします。
(弓順決める時とかね!)
多少の言い合い(バトル)になる時もありますが、よりよい結果を生み出すには、どこかでコミュニケーションが必要です。
音大で身についたのは、音楽だけじゃなかった
音大では、音楽を通じて、仕事術につながる考え方が身についていました。
学生の時には気付けなかったし、この記事を書きながらもモヤッとしている所がまだまだあるんですが、一つだけ確かなことがあります。
音楽を通じて身についたことは、私にとって、非常に大きな財産であるということ。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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