聴音できるようになるには途中経過と復習が大事!上達のコツは書き終わったあとにあり!
「聴音」と言うと、
耳コピ、書き起こし、音大受験科目
といったイメージを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
本来は、読んで字のごとく
音楽を聴く
練習のことです。
聴き取れたかどうか確認するために書く
といった感じですね。
聴音なかなかできるようにならない落とし穴
聴音頑張ってるつもりなんだけど、全くできない!
ちゃんと答え合わせしてるのに!
答え合わせのあと、どうしてる?
え、次の新しい問題に行くけど?
だって、数こなしたほうができるようになりそうだし!
うーん。
数をこなしたほうが良いのは否定しないけど、どんな間違いをしてるかは、知っといたほうがいいんじゃないかなぁ。
なんの勉強でも同じだと思いますが、
解いて、答え合わせして、終わり
じゃないですよね。
理解を深めるために、解説を読んだり、テキスト本文を読み返すのではないでしょうか。
なぜ、その答えになるのか?
そこを理解しない限り、同じ間違いを繰り返してしまいます。
聴音の練習も同じです。
まずは、聴いて、書いて、答え合わせ。
そして、書いたものと正解の違いを分析しましょう!
だから間違いは消しちゃダメだよ!!!
証拠隠滅禁止!!!
バレた・・・。
道理で、できるようにならないはずね。
聴音の答え合わせは、書いたものと正解の違いを分析しよう
分析?むずかしそうだなあ。
なにをどう見ればいいの?
いくつかポイントがあるから、紹介するね。
音の飛び方が聴き取れなかったら、歌ってみよう
音の間違いが起きている時にありがちなのが、
音の飛び方を聴けてないこと。
音の飛び方?
前の音に対しての音程(インターバル)ってことだよ。
音の飛び方は、次のように分類できます。
上に行くか、下に行くか、同じか。
隣りか、飛んでるか。
それだけでだいぶ絞れる。
なぁんだ。
わりとシンプルなんだね。
飛び方がわかったら、間違えた答えと正解の両方を、歌ってみましょう。
なんで歌うの?
音程(インターバル)を体感しやすいからだよ。
リズムがわからなかったら、拍をとって歌う&リズム打ち!
リズムがわからなくなった時にありがちなのが、
拍を失ってるパターン。
・・・自覚ある。
拍とリズムの仕組みを理解するのが、解決への早道かな。
どうやったらわかるようになるの?
拍を打ちながら、
止まらずに、
間違えた答えと正解の両方を、
歌ってみましょう。
止まらずできる自信がない人は、メトロノーム使おう。
正解と、自分の答えの違いがわかったら、
拍を言いながら、リズムを打つ練習
を、やります。
自分がやってるのが正解かどうか自信がない人は、録音して聴き返すと良いね。
複旋律の場合
複旋律の場合は、まず単旋律と同じ方法で、
上声部と下声部それぞれを
復習します。
さらに、
- 拍を言いながら2声同時にリズム打ち
- 上声部を歌い、下声部をピアノで弾く
- 上声部をピアノで弾いて、下声部を歌う
- 上声部を歌い、下声部をリズム打ち
- 上声部をリズム打ち、下声部を歌う
をプラスします。
うわあ、頭がゴチャゴチャだ!
繰り返すうちに、少しずつわかるようになるから大丈夫!
自分はピアノが苦手です。
始めたのが遅くて…。
まず「1小節止まらない」ことを目標に頑張りましょう。
流れを損なわなければ、遅いテンポでもOK。
1小節止まらないでできるテンポかぁ。
メトロノーム最遅から始めようかなぁ。
ピアノを弾くのがどうしても難しい場合は、歌いながらリズム打ち(上記4・5番)を多めに頑張りましょう。
和声聴音は?
和声聴音で、響きがよくわかりません。
音の組み合わせが思いつかない、というか…
和声聴音になっても、歌うことが大切です。
単旋律のときの方法を応用できますよ。
和声聴音も、歌うこと=復習です。
間違えた答えと正解の両方とも、
下声部から上声部に向かって、歌ってみましょう。
歌いやすい音域でかまいません。
自信がない人は、ピアノで音を確かめながら歌ってね。
自分の声と、ピアノの音の両方を聴きましょう。
チューナーに頼らず、自分の耳で判別します。
おぉ、響きのことって、今までの自分に無かった感覚かもしれません。
どうやったら、もっと聴けるようになりますか?
ふだんから、身の回りにある響きに関心を持とうとすることが大事かな。
聴音は途中経過を観察して復習しよう
聴音は、音楽を聴く練習です。
その「聴く」途中の過程で起きている問題を解決できると、
聴ける世界がどんどん広がって、
ますます楽しくなりますよ。
同じ曲でも、新しい発見ができるかも!
楽しみだなあ。
がんばろうっと。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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