和声聴音が苦手なあなたへ。レベルアップのポイントは、復習するかどうか!
こちらの記事で、四声体の和声聴音が聴き取れるようになるコツを紹介しました。
でも、まだ大事なことに触れていません。
成長の分かれ目は、復習するかどうか。
レッスンや授業で習った課題、答え合わせをしたままで終わっていませんか?

え、別に宿題とかじゃないし、答えきいて「あーなるほどー」って思ったから、それでよくない?

頭でわかるのと、聴けるようになるのは、イコールじゃないよね?

んぐぐ・・・。
でも復習って、何をすればいいの?

私がレッスンや授業で実践している、8つの方法をご紹介しましょう。

え、8つも!?
その1:和音を基本形に直す
読んで字のごとく。基本中の基本ですね。
音の順番を並び替えて、みたらし団子の形にしましょう。

その2:和音の種類・コードネームを書く
※和音の種類は、「長三和音」「減七の和音」などを指します。
得意なほうどちらかでOK。
要するに、和音の響きがわかればよい。
その3:和音の度数を書く
※「和音の度数」は、ローマ数字で記します。
一先ず、わかる所だけでOK。 書ける人は、転回形の数字も書きましょう。
- Ⅰ
- Ⅳ
- Ⅴ
- 属七の和音
- Ⅱ
途中で転調している場合は、転調先の調での度数も書けるようにしましょう。

上で挙げた5種類をクリアできたら、次に挙げる5つの和音も書けるとよいですね。
- Ⅱ度7
- 属九の和音
- 属九の根音省略形
- 近親調のドミナント
- ナポリの六
※コードネーム派の人は、その3をとばしてもかまいません。
その4:ピアノで弾いてみる

え、いや、あの、その・・・ピアノ苦手なんですよね。
受験のためにピアノ始めたクチなので・・・

和音ぐらい弾けるようになっといたほうがいいよ。
弾いてみて初めてわかること、いっぱいあるし。
文字も楽譜も、書いて初めてわかることがありますよね。
それと同じように、音を出して初めてわかることも、たくさんあります。

和音なので、ピアノを始めて間もない人でも、音を出すハードルはそう高くないはずです。スローテンポからチャレンジしましょう。

その5:自分で書いたものと正解を弾き比べ・聴き比べ
はい、ここで早速ピアノ使います。その4とセットでどうぞ。

自分が書いた音を正確に弾くのがミソですよ。

自分の苦手ポイントや、間違えたプロセスがよくわかるよ。
その6:3声部をピアノで弾きながら、1声部をドレミで歌う
ピアノの音と自分の声で、ハーモニーを作ってみましょう。
声を出すだけでなく、響き全体を聴くのがポイント。
ドレミは、音名でも階名でもOK。

人によっては、弾いた音と違う音を歌うハードルがあるかも。
でも、慣れれば大丈夫。
その7:3声部をピアノで弾きながら、1声部を母音で歌う
その6の母音バージョン。

ドレミで歌うのとは、また違う感覚があるね。
「母音のほうが歌いやすい」って人もいるんじゃないかな。
その8:移調して弾く・歌う
いろいろな調に移調して、その4~7をやります。

移調してみて、初めてわかることもあるんですよ。
臨時記号の付け方とか・・・
弾いてから書くのでも、書いてから弾くのでも、弾くだけでもOK。

半音ずらした調、全音ずらした調あたりから入るのがおススメだにゃ。

なるほど、これだけやれば、なんとかなりそうね!
ここまで来たらあともう一歩!
苦手な音域別の攻略ポイントをおさえましょう。
続きはこちらの記事にて。

ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。都立芸術高校・東京藝大をヴァイオリンで卒業後、東京藝大院修士ソルフェージュ専攻を修了。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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