音を並べるだけの演奏になっていませんか?音程感と演奏
突然ですが、クエスチョン。
あなたは音楽を聴くとき、音を聴いていますか?音楽そのものを聴いていますか?
大丈夫、問いかけたこっちもわかんないから(笑)
なんというか、根源的すぎる問いかもしれないですね。
ソルフェージュのレッスンをしていて私が感じていることは、音を点として捉えている人が一定数いるということです。
少し掘り下げてみましょう。
ピアノでのレガート
私はピアノの専門家ではありませんが、仕事柄、子供たちのピアノ発表会を聴く機会があります。
ピアノ一筋に打ち込んでいる子もいれば数ある習い事の中の1つという子もいて、ピアノに割く時間も取り組む曲も進み具合も人それぞれですが、子供たちの演奏を聴いていて、何となく感じることがあります。
音と音を繋げて(レガートして)弾こうとしている子と、音を点として並べている子がいる。
ピアノ以外の楽器では、なめらかに演奏しようと思ったら、こんな行動をとります。
弦楽器 → 弓を返さないで何音かを一弓で繋げて弾く
管楽器 → 一息で吹く、循環呼吸を使って吹く
ピアノは構造上、 音をなめらかに繋げることがちょっくら難しい のです。
鍵盤を押し下げるのがタテの動きなのに対して、なめらかに歌うのはヨコの動きだからです。
(ヴァイオリンの弓を動かしている様子を思い浮かべてください。ヨコの動きでしょ?)
で、その、ピアノという「レガートするのが難しい楽器」で、なめらかに弾こうと頑張っている子供たち。
私は客席から密かに(笑)最高級の賛辞を送っています♥
もちろん、技術的・音楽的に発展途上な部分はありますが、レガートに不自由のある楽器でレガートしようと奮闘する姿を素晴らしいと感じるからです。
聴音で露わになる音程感
レッスンで聴音書き取りをやると、跳躍音程が聴き取れない子、オクターヴエラーを起こす子が必ずいます。
音程感(音の距離感とでも言うのでしょうか)に対する意識や訓練が足りていないことが考えられます。
私のレッスンではそんな時、まさに四苦八苦している最中の、今聴いている聴音課題を歌ってもらいます。
歌ってもらうと、生徒さんの頭の中で何が起こっているのか、だいたいわかります。
だいたい、下記2つの現象が起きていることが多いです。
- 4度飛んだのか5度飛んだのか6度飛んだのか、要するに音が飛んだ距離が体感としてわかっていない
- (オクターヴエラーの場合)音が上がったのか下がったのかを聴いていない
音と音の距離という概念がわかると、進歩が早いようです。
意識の持ち方次第で変わる子もいます。
絶対音感の弊害?
先ほどはピアノの生徒さんを例に挙げましたが、ヴァイオリンや他の楽器でも同じことが言えます。
音を点として並べるのではなく、音と音の間やつながりを感じて、味のある演奏をしたいものです。
そんなこと言ってる私も、かつては、音を並べるだけの演奏をしていました。
変な絶対音感を持っていたせいか、音同士の繋がりや距離など何も感じずに、いわば点として音を並べているだけだったのです。
ヴァイオリンでも、平均律で調律したピアノ的な正しい音程をとっていたし、聴音の試験は絶対音的に音を聴いて正確に書き表せれば正解しますから、特に問題は起きませんでした。
でも、冷静に考えたらね。
面白くなくなってきたんですよ。音を並べるだけの単純作業が。
その瞬間から、自分の演奏がちょっと変わっていったように感じます。
↓
音楽って、奥深くて楽しいじゃん?
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今までやってたのって、全然浅い世界だったんじゃん・・・。 ←いまここ
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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