音大卒がアマオケと関わってビックリしたこと10選
大学院を修了してから、アマオケや大学オケの世界を全く知らない状態で飛び込み、どっぷりとアマオケと関わらせていただいています。
それまで、プロ(もしくはプロを目指そうとする人たち)との関わりがほとんどだった私にとっては、発見や驚きがたくさん!
10個のビックリしたことを紹介します。
(・・・そもそも、何をもってプロと呼ぶんでしょう?この定義もあいまいだなぁ。)
1. 個人的に楽器のレッスンに通っている(いた)人もいれば、そうでない人もいる
始めるきっかけが部活だったとしても、個人的にレッスンに通うかどうかはまた別なんですね。
良い先生に習えていたかどうかは、少し聴けば何となくわかります。
基礎がしっかりできている人や、楽譜の読み間違いが少ない人は、そうだったのかなぁと感じます。
レッスンに通ったことは無く「部活でやっただけ」という人もいます。
中には、あっと驚く能力の持ち主も!
ご本人の吸収力や学習能力の高さもあったでしょうし、運よく良い環境に居られたのかもしれない。
でも、本職の目で見ると「 こういう所を気を付けたら、もっとイイ感じになるんだけどなぁって思うポイントが結構ある 」がホンネだったりします。
2. わりといらっしゃる、玄人はだしな方
安定した職業に就いて安定収入を得て、週末やアフター5に音楽を楽しまれる、賢い生き方をしている方。
あちこちのオケから引っ張りだこ。
下手すると、中途半端な自称プロより本番の回数が多い。
よく弾けるし、知識量も豊富。
ブルックナーを語らせたら止まらなかったり、人間的にも素晴らしい方だったりする。
勉強させていただいております。頭が下がる一方です。ごく稀に、こちらをギャフンと言わせることだけが生き甲斐なのかな?という感じで接して来る方がいるのは、たぶん気のせい。
3. 管楽器は募集終了、弦楽器は絶賛大募集中!の謎
吹奏楽人口の多さとオーケストラに必要な管楽器の少なさとのミスマッチから起きる。
要するに、椅子取りゲーム。
4. 「今日は○○のパート、誰も居ません」現象
最初は面食らう。
でも、冷静に考えれば本職が優先な方々なので当たり前。
小さなオケだと代走奏を手配できないこともある。
ファゴットが不在と仮定します。
と思っていると、
からの。
アマオケにおいては、「○○の次に入ればいい」と考えるのは、なかなかのチャレンジャーだったりします。
いちばんの安全策は、スコアを頭に入れて、休符を正確に数えること。
5. パート決めはややこしい
どこのパートを弾く(吹く)かは、結構な大問題。
技量だけでなく、出席率や相性も考慮したり。
(弦楽器に比べて)音符が少なめな某管楽器では、パート決めが難航した結果、誰が何番を吹くか決まらぬまま練習がスタートすることもあるとかないとか(ホントに?)
音符の数が少ないから大丈夫って!?それは理由になりません!!!
ヴァイオリンで1stか2ndかを決めぬまま練習を始めたら、軽い暴動が起きることでしょう(笑)
6. 音楽的にビックリするようなボウイングが付いている
トレーナー的な人がいないオケ、弦のことをあまりわかってない指揮者が振ってる場合にありがち。
よくよく話を聞くと某名門プロオケのマネだったりもするのですが、表面的に真似てるだけで本質に迫れていないことも。
(弓の上げ下げだけでなく、弾く場所や弓の量も、演奏に大いに関係します。ダウンアップの記号だけでは書ききれない情報。)
それなりに形になっていればまだ良いものの、 ボウイングが決まっていない状態で練習しているケース を見聞きしたこともあります。
何のための練習なんでしょう?
甚だギモンです。
7. 選曲がアツい!
「乗り番の都合」とか「やりたい!って声を集約した結果・・・」とかで、プロオケなら絶対有り得なさそうなプログラム案が登場。
で、本当に実行しちゃう。
演奏したい!というエネルギーで乗り切る精神、半端ない。
頭が下がります。
じつにあっぱれである。
一方で、そのようなアツい選曲に、人知れず小さな悲鳴をあげている方がいるのも事実。
金管が活躍する曲は大抵、弦の譜面が真っ黒でありまして・・・。
選曲でモメるのも、アマオケあるある。
8. 「熱心」の方向がてんでばらばら
要するに、皆さまアツく取り組んでいらっしゃるのです。
「いい演奏しよう!」「いいオケにしよう!」という気持ち。
本職から見ると、本職になったが故にどこかに忘れてきた純粋なハートが、前面に押し出されてて・・・。
さっきから、頭が下がりっぱなしです。
で、アツい故に、アツさがぶつかり合うんですね~。
そんな時、「世の中はいろんな人がいるんだなぁ。アマオケは社会の縮図って言うけど、ホントにそうだなぁ」と思います。
説得力がある人、交渉術が上手い人、周りを動かす力がある人・・・。
組織がうま~く回ればいいんですが、中には困ったさんも。
人としてどうかしている行為に出る人(協調性とかの面でたぶんオーケストラ自体に向かない)、プライドだけ無駄に高い人(どんな世界でも苦労するだろうなぁ・・・)。
9. 額面のチケット代はあって無いようなもの。価格設定も難しい
なぜなら、奏者は乗り番代を払う代わりに、金額分の枚数(であろう)チケットを受け取り、奏者が額面通り売ってもタダで配っても、団の懐は痛まない仕組み。
その結果、観客より出演者が多い現象になることも。
(誰にも配らない人が多かったのかなー。集客うんぬんよりも演奏したかったのかな、きっと)
「売るのもナンだし、親族や友達にはいつもあげてる」という声も耳にします。
ここで厄介な問題が浮上します。
タダ券をもらい慣れたお客様の存在。
出演者とお客様の間で、何らかの形でプラマイゼロになっていれば構わないと思います。
差し入れするとか、お互いに招待し合うとか。
でもね。
万が一、チケットは関係者を通せば招待券がもらえるものなんだから、金払うなんて馬鹿馬鹿しいとか思われてた日には、音楽業界的には相当マイナスだと思うのですよ。
プロ奏者の自主企画リサイタルでも、収支決算赤字→自腹切ってるケースあります。
(お世話になってる方とかには、多少自腹を切ってでも、招待券を出してます!
でもそれはこちらの気持ちでやっている行動であって、「招待してください」って要求してくるのは話が違うと思う。)
最近、宅急便の送料が値上げになったのも、どこかにしわ寄せが行ってたからですよね。
タダより高い物はない。
「じゃあ入場無料でよくない?」って言うと「本職の指揮者やソリスト呼んでるのに失礼だ」論が出るし、思い切って¥3~4000に設定しても「アマオケにそんなに金払いたくない」論が出る。
一筋縄ではいかない、チケット代。
やったことないけど。
10. 飲み会は楽しい
いちばん大事(笑)
自分の知らない世界の話を間近で聞けるし、ジェネレーションギャップも楽しい。
腹を割って話して、明日への活力につなげるんです!
音楽、たのしい。
辛い時も苦しい時もある。
思うようにいかない時もある。
でも、なぜ音楽をやっているのか?
なんやかんや、「楽しいから」「魅力があるから」ではなかろうか。
いつも「楽しい」で終われるわけではないけれど、心の奥底には常に「おもしろい」「たのしい」を持って臨みたいと思います。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
各種レッスン受付中!詳細は下記をクリック!
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