視唱を練習するとどんな効果がある?ソルフェージュ学習を演奏に役立てよう
聴音と並ぶ、音大入試ソルフェージュの代表格、視唱。
もちろん、視唱を練習する意味はあります。
教育効果も期待できるから入試科目になってるわけで。
どんな効果があるのか、具体的に2つご紹介します。
視唱を練習するなら、演奏でプラスになるようにしたいですよね。
視唱を練習する効果その1:音の開き具合がわかるようになり、音程を愛でる気持ちが生まれる
音に高さ(ピッチ)をつけて声を出すと、音の高さを実感できます。
え?何を今さら?当たり前じゃん!
わざと超音波みたいな高い声を出したり、低い声で怖い人のモノマネをして人を驚かせる遊び、やらなかった?
良い子だからやってないよ!
ご自身がそうやって遊んだかはさておき(笑)、声の高さが変わると、印象が変わりますよね。
キャラクターもぜんぜん違う。
音楽も同じです。
音程とは?
音同士の開き具合を音程と呼びます。
英語だとinterval ですね。
大ざっぱに
- 狭い音程は滑らかでスムーズな動き
- 広い音程は落差が激しくアクロバティックな動き
と思っておいてください。
広い音程にはエネルギーがある
ド↗ラやシ↘レのような広い音程をスッと歌える人は、そう多くないと思います。
矢印の意味が謎な方はこちらをクリック
ここでの「ド↗ラ」は「ド(レミファソ)ラ」、「シ↘レ」は「シ(ラソファミ)レ」を指します。要するに6度音程のこと。
音が離れているので、到達点(ないし着地点)を見極めないと、歌うのが難しいんです!
ソ↘ファのような狭い音程とは、事情が違うんですね~😅
ウソだぁと思ったそこの貴方、いっぺん歌ってみましょう。
どうですか、けっこう違うでしょう。
ほんとだ、広い音程はちょっとエネルギーがいるね。
狭い音程はデリケート
広い音程を歌うにはエネルギーが必要なんだね。じゃあ狭い音程はお気楽に歌えばいいのかな?
そうとも限らないよ。ド↗レとミ↗ファを歌い比べてみて。
あ、ミ↗ファって意外と難しい…。
狭い音程の中でも、意外と厄介なのが全音と半音の歌い分け。
半音(ミ↗ファやシ↗ド)は特に難しく、意外と歌えない人が多いように感じます。
難しいぶん、ちょっと気を遣って歌ってみましょう。
あ、気を遣ったら歌えた!😊
半音が出てくるところって、デリケートな音楽なのかなあ!?
その可能性が高いですね。
声に出して歌うと、作曲家が込めた思いがわかる!
楽器を離れて、声に出して歌うと、音のつながり方や開き具合を体感できます。
その音程の持ち味がわかったら、無味乾燥に音を並べる理由はなくなりますよね😊
ひょっとすると、作曲家が込めた思いまで、わかっちゃうかもしれない。
ベートーヴェンやショパンともお話できそう!
すごい!うれしいな!
視唱を練習する効果その2:自分が表現したいことがわかる!
楽器で思うような表現をするには、その楽器の演奏技術を身につける必要があります。
ある意味、特殊技能がいるってことだね。
その反面、歌は誰でも歌えます!😊ちょっと極端な言い方かもしれませんが…。
取っ掛かりがお手軽だからカンタンだね!
音楽のルーツは、歌から始まっていますし。
専門的にやるとなったら特殊訓練いるけど・・・
でも入口は広いよね。
歌なら手軽!楽器よりも音楽をイメージしやすい!
歌は手軽に歌えますよね😄
なので、音楽の本質に近づくのもわりと簡単です。
なにより、イメージがしやすいと思います。
では、イメージしてみましょう。
元気な声。
そ~っと語りかける声。
遠くからの呼び声。
すすり泣く声…。
それぞれのイメージ、湧きましたか?
うん!
じゃあ、そ~っと語りかけるような音を出したい時は、どうやって弾いたら良いですか?
うーん、優しい音を出したいなぁ…
そ~っと弾けばいいのかなぁ。
少なくとも、元気いっぱいに弾いちゃダメそうですよね。
そう!それ大事!
第一段階クリア!
視唱から演奏への橋渡し!歌ってわかったイメージを楽器で置き換えよう
歌ってみると、音それぞれに持ち味やキャラクターがあることがわかります。
- エネルギーが要る音
- デリケートさが必要な音
- 元気な音
- 遠くから呼ぶような音・・・
では、楽器でどうやって演奏すれば、そのような音が出せるでしょうか?
気持ちを込めればいいのかなぁ。
少なくとも、無神経に音を出しちゃダメそうですね。
素晴らしい答え!
いい線いってます!
もうちょっと具体的に考えてみましょう。
たとえば、気持ちを込めた音を出すには、楽器をどう使えば良いでしょうか?
考えるポイントがたくさんあります。
弦楽器なら弓の場所、弓の量、弓のスピード、指使い
ピアノならタッチ、ペダリング、指使い
管楽器なら息使い、息のスピード
などなど・・・
楽器をどう使えば、イメージした音楽を表現できるか?
それを考えるのが、俗に言う練習にあたります。
じゃあ、楽器の技術はいろいろ知っておいたほうが良いんですかね?
そうですね。使えるワザが多いに越したことはありません。
自分が感じたことを表現するのに必要なのが、演奏技術。
技術の引き出しを増やすのが、基礎練習です。
エチュードとか、音階とか・・・。
なるほど。
基礎練習を通じて技術を身につけ、曲で使いこなしていくんですね。
モチベーションが上がりますね。
視唱を練習する効果を上げたいなら、わかったことを演奏に活かそう!ソルフェージュ学習は演奏のためにある!
視唱に限った話ではありませんが、
せっかく練習するのですから、その効果が演奏に出ると嬉しいですよね。
視唱を練習すると、音に込められた意味や願いが読み取れるようになったり、自分が表現したいことがわかるようになります。
それらを演奏に活かすことで、新たな発見があるかもしれません。いや、あります。
ソルフェージュ学習は、演奏のためにあるべきもの。
忘れずにいつも肝に銘じておきたいです。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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