ヴァイオリンの重音は難しい?オーケストラでも活用できる重音攻略ガイド!メリットと練習方法をご紹介
ヴァイオリンの関門のひとつ、重音。
重音が出てくると、むずかしいなぁ。
難しい・・・できない・・・と感じていませんか?
でも、重音の練習にはメリットがたくさん。
コツを掴めば、いろんな曲がラクに弾けちゃいます!
今日から挑戦してみませんか?
弦楽器の重音とは、2弦に同時に弓をあてて、2つの音を同時に出すことです!
音の組み合わせによって、使う弦や指使いが、おのずと決まっていきます。
ヴァイオリンで重音を練習するメリット4選
ヴァイオリンで重音を練習するメリットは、4つあります!
響きを知る
1つ目は、響きそのものを知ること。
オケや室内楽に入ると、他の人と一緒に一つの響きを作ることになります。
その下稽古として、いろんな響きを知りましょう。
楽器がよく響く弾き方を習得できる
2つ目は、楽器がよく響く弾き方を身につけること。
単音の弾き方とはちょっと違って、コツがいるのですが、重音がうまく弾けると楽器が鳴るようになり、よく響きます!
楽器も喜びそうだね!
単音の音程(ピッチ)が安定する
3つ目は、単音で弾く時の音程(ピッチ)を、より正確に取れるようになること。
手の形を体で覚えることになるので、単音でもより安定して正確な音が取れるようになります!
譜読みがラクになる
4つ目は、楽譜の見方が変わり、曲の中での対応力が高まること。
ヴァイオリンの曲の中には、単音で書かれてても、重音を弾くようにおさえて弾く曲があります。
クライスラーの「前奏曲とアレグロ」が良い例でしょう。
6度の重音だと思って弾かないと、左手が間に合いません。汗
よく見たら、和音でできてる音楽なんですね。
すごく忙しそうな場所だけど・・・。
オーケストラのヴァイオリンパート攻略は、重音の練習がカギ!
オーケストラや室内楽だけを弾きたい人も、重音は練習したほうが良いです。
オーケストラのヴァイオリンパートって、ほとんど単音だよね?
なんで重音も練習した方がいいの?
重音と考えると弾きやすくなるパッセージがあるからです。
オーケストラのヴァイオリンパートは大抵、単音を弾きます。
でも、左手を重音と思うことで、右手の移弦に意識を集中させられる音型があります。
画像の楽譜は、「新世界より」の第1楽章です。
練習番号4付近は、ファーストもセカンドも3度と6度ばかりですね。セカンドはオクターヴもあります。
こちらはブラームスの交響曲第1番。隣どうしの弦で弾かない理由がありません。
初心者から上級者まで使える!重音を極める練習方法2ステップ
重音を練習すると、弾ける曲が増えて、いいことがいっぱいあるんだね!
どうやって練習したらいいのかな?
大まかに2ステップに分けられるので、段階を踏んで進めていくと良いですよ。
響きのツボを探す
まず、自分が出した音を聴き、極上の響きが出るツボを探します。
「タテの線を合わせる」と言った感じでしょうか。
音を出しながら、指の向き・指の角度・弓圧を工夫しましょう!
指のお肉が隣の弦を触らないように注意!(タップで画像拡大できます)
弓は、2弦両方に触れる角度+バランスよく響く弓圧を両立できるようにしましょう。
音階で弾いてみる
重音は、曲の中で連続して出てくることが多いので、音階の形でも練習してみましょう。
慣れるまでは、スラー無しでかまいません。
小野アンナ教本などに載っていますね。
最初のうちは、2声部に注意を払うことが難しいと思います(汗)
なので、2音ともおさえるけど弾くのは片方だけという練習も取り入れてみてください(動画参照)。
オケ指導者が選ぶ!オケや室内楽をやりたい人はこの順番で重音にチャレンジしよう!
重音をやろうと思って音階教本をめくったけど、どれからやればよいですか?
独断と偏見で経験則に基づいて、オーケストラや室内楽をやりたい人向けに、どんな順番で重音に取り組んだらよいかを、ご紹介します。
調性は何でもよいので、まずは1つの調で極めてみましょう。
オクターヴ
最初におススメするのは、オクターヴ。
なんといっても響きがわかりやすい!
1指と4指を押さえたまま移動するので、手のフォームを崩さない練習ができます。
6度
次におススメするのが6度!
曲の中でも良く使われ、弾きやすく、わりと取り組みやすい音程。
- オクターヴほどではないものの、響きがわかりやすい
- 隣り合う指を使うので、押さえやすい
- 弦と指の位置的に、3度よりも押さえやすい(番号が若い指が低い音、大きい指が高い音になる)
6度には大まかに2種類あります。
- 2本の指が離れる形→長6度
- 2本の指が(わりと)くっつく形→短6度
響きの違いも味わいたいですね。
3度
その次におススメするのが3度!
オクターヴほどではないものの、わかりやすい響きです。
重音で弾くと弦の位置的に押さえ方が難しいのですが、単音で3度飛ぶことはよくあるので、練習するに越したことはありません。
3度には大まかに2種類あります。
- 2本の指が離れる形→短3度 ※響きとしては狭い
- 2本の指が(どちらかと言うと)くっつく形→長3度 ※響きとしては広い
指の広がり方と、音の間隔(インターバル)が反対になるので、注意しましょう。
これができたら上級者!?フィンガードオクターヴと10度は重音の筋トレ!
続いて、指と指の間を広げる練習になる重音を2つご紹介します。
オーケストラや室内楽の曲を弾くだけなら、無理にやらなくてもよいです。
コンチェルトやヴィルトゥオーゾピースをバリバリ弾きこなしたい!って方は必須。
フィンガードオクターヴ
1指と3指、2指と4指の組み合わせで取るオクターヴ。
泣いても笑ってもオクターヴなので、響き的にわかりやすいのが利点です!
自分が使うかどうかはさておき、練習でチャレンジする価値は大アリ!
ハイポジションなら、比較的ハードル低めです。
10度
なんやかんや3度と似た響き。
やり過ぎると手を痛めるので、用法用量を守って正しく練習しましょう。
受験生の頃は1日10回以内(それ以上やらない)と決めていました。
ヴァイオリンで重音を練習して、譜読みをラクにして、いろんな曲を楽しもう!
ヴァイオリンで重音を練習すると、単音の曲だけでなく、オーケストラや室内楽の曲を弾く時にもメリットがあります。
今日から一緒にチャレンジしませんか?
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レッスンのお問い合わせはこちらからどうぞ! 譜読みに関する内容でしたら、ヴァイオリン以外の楽器の方も歓迎します!
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。都立芸術高校・東京藝大をヴァイオリンで卒業後、東京藝大院修士ソルフェージュ専攻を修了。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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