人生初!ヴァイオリンのオンラインレッスン記録。実際どうなの?
※2024年現在、オンラインレッスンは形態や内容・分野を限定して行っております。詳しくはレッスンのご案内をご覧ください。
2020年は新型コロナウイルスに翻弄され続けそうですね。
あらゆる業界がオンライン対応を迫られています。
音楽レッスンも例外ではありません。
私も今回の騒動を機に、オンラインレッスンに参入しました。
もちろん人生初ね。
オンラインレッスン初挑戦の教師が何を気づいたのか、記録として書いてみようと思います!
私がヴァイオリンのオンラインレッスンで使った機器・方法
アプリ:Zoom
機器:Androidタブレット(通信用)、Windows10のノートパソコン(楽譜PDFを見る&送られた動画を見返す用。Core-i5、4年前に購入)
マイク:内蔵(Androidタブレット)
通信環境:Wi-Fi
その他:譜面台、パソコンを置く机、PDF書き込み用のペンタブレットXP-Pen ペンタブ Decoシリーズ 携帯:Android6.0以上端末対応 ペンタブ 10×6.25インチ エクスプレスキー 8個 Deco01 V2 を使いました!)
新しく調達したものは、特にありません。強いて言えば、ペンタブレットぐらい。
紙に書いてスキャンor写メでも全然大丈夫。
レッスン中の先生の行動・言動の気付き
「先生」だって学び続けなければなりません。むしろそれが普通だと思います。
思わぬオンライン化は、レッスン中にいつも何気なくやっていた行動を振り返るチャンスでもありました。
先生もアップデートしてるんだね!
レッスン中に「これ」「それ」「そこ」「あれ」を使わなくなった
言われたほうが「どこ?」「なに?」ってなっちゃうやつ!
画面越しのレッスンですから、同じ空気を共有していると言い難い場面がしばしば。
「2段目からしばらく弾いてもらおうかな…。
そんで、気になる場所があればその時に止めればいいや。」
…みたいなやり方は難しいですね。
お互いの声は、瞬時には伝わりません。残念ながら。
どうしてもタイムラグが生じます。
レッスンにありがちな光景「生徒さんが弾いている途中で、こちらが声をかけて演奏を止めさせる」。
オンラインレッスンでは、とても難しいです。
「○小節目まで」「●段目まで」みたいに、弾いてもらう場所について具体的な指示を出すようになったにゃ。
演奏の注意事項を言語化、図式化するスキルが上がった!
通常の対面レッスンでは、目の前でお手本を示すことができます。
空気感で伝えられることも多々ありますし、(生徒さん同意のもと)腕や指を触って姿勢を直すのも簡単。
でも、オンラインで伝えられることには限界があります。
技術の限界もあるし、生徒さんの通信状況がその時とつぜん悪くなっている可能性も捨てきれません。
私はリアルタイムで通信するレッスンするだけでなく、注意事項を書き込んだ楽譜を送ることも並行して行いました。
(生徒さんには事前に演奏動画を送ってもらい、その動画に対するレスポンスとして送付)
誤解のない言い回しを考えたり、図でわかりやすく説明しようと試みました。
結果はこうでした!!!
自分の思考をうまく伝えられるような言い方・方法を考えた
↓
アタマの中身が整理できた!
書き込み楽譜を送るほどでもない時でも、実際に書いて説明しちゃう方法は、かなりラクだな~と思いました。
私がZoomを使った理由の一つは、ホワイトボード共有機能があったからです。
かなり便利でした!
100均のホワイトボードも使えそうですね。
だよね。買いに行ったよ。普通の対面レッスンに戻ってから(実話)
先生が冷静さを保てる(笑)
一生懸命になるあまり白熱するレッスン・・・
それはそれで魅力ではありますが、お互い疲れちゃうのも事実ですw
同じ空間にいれば、先生の一生懸命な気持ちが生徒に伝わるメリットもあります。
でも、画面越しでどれだけ伝わるでしょうか。「うっかりマイクオフだった!」とか軽く事故だし
ワンクッションあるぶん、冷静になれるのが良い所。
空気を共有していない分、言いたいことを的確に確実に伝えようとお互い努力する時間でもありました。
いつも冷静だった師匠のレッスンを思い出しちゃったよ。
まだまだ足元にも及ばないけどね。
レッスン中の生徒さんの行動から気付いたこと
生徒さんの行動でも、気づいたことがあります。
思わぬ効果がたくさん。
たしかに、普通のレッスンとは違いましたね。
生徒自身が楽譜に自分で書き込むようになり、注意力アップ!
小さい生徒さんは特に、先生が楽譜に書き込むことも多いと思います。
でも、画面越しでは無理ですよね。
字が書ける子なら必然的に、自分で楽譜に書きこむことになります。
時間かかるかもしれない。
幼い子は、たどたどしい書き方かもしれない。
ところが、あら不思議。
自分で書くので、生徒さんは、自分自身の問題として認識できるんです!
先生が書いてくれるから、受け身になってしまってるんだな…って、反省したにゃ。
大人はもちろん自分自身で書き込めますが、注意事項を言語化するプロセスが必要なのは一緒ですね。
思わぬ形ではありましたが、生徒さん自身の言葉で一生懸命メモるようになりました。
その結果、生徒さん自身の注意力が上がったように感じます。
観察力アップで速く上達!
レッスンって、先生がお手本を示してくれることが多いと思います。
私もよくお手本をやっています。
画面越しに手本を示して気づいたのは、
自分自身の状態やお手本をよく観察できている人は、上達が速い
ということです!
生徒さんが画面をどのぐらい凝視しているか、画面越しでもよくわかります。
同じ空間にいる時以上に、よ~~~~~く観察している生徒さんが多かったです!
今までは、お手本を見ているように見えても
なんとなく見ていた
あさっての方向を向いていた
こんなケースが多かったのかもしれません。
そういえば「今日の夕ご飯何かなぁ」って考えてたなぁ・・・
またお手本だけでなく、自分自身がどんな動きをしているかについても、観察しましょう。
現状と比較しないことには、まったく意味がありません。
レッスンの時に大切なことは、先生や自分の体がどんな風に動いているか観察することです。
楽譜にばかり目を落とさず、観察してみましょう。
体の動きを主体的に体感(?)して動作を記憶
ちょっと不思議な日本語かもしれません(汗)どう書いて良いのかよくわからないw
ヴァイオリンでは、指板を指で押さえて音程をつくります。
ところが、同じ場所を押さえても、指の曲げ具合や、腕・肘の角度によって、音程が変わってしまいます。
「ミがファになっちゃう」ってほどじゃないんだけど、前後関係的に、あるいは和声的に不思議な音になっちゃったりするよ。
対面レッスンなら、先生が生徒の指や腕をグイッと触って直すことも不可能では無いですが、
オンラインでは無理です!
本人がどうにかする以外に、方法はありません。
でもこれが良い方向にいきました!
生徒さんは主体的に動くので、体感として記憶できるんです。
結果として、上達も早かったように思います。
もっと早く気づいてればなぁ・・・反省。
現状のオンラインレッスン、問題点は?早々簡単には解決しなさそうなところ
オンラインレッスンの気付きや良かった点を挙げてきましたが、現状、まだまだ問題点も多いと思います。
通信環境や機械・アプリに作用される
2020年の4~5月、オンラインレッスンについてSNS等でいろんな記述を見ました。
- FaceTimeが一番いい
- 音がいいのはLINEだ
- なんてったってZoomがベスト!
諸説ありすぎてわかんない!!!
正直な感想書きますよ。
知らんがな 汗。
お互いの機械の性能、アプリの性能、Wi-Fi環境などによっても違います。
「何がよい」「これはダメ」など、一概には言えないのではないでしょうか。
少なくとも、総合的にオンラインレッスン<<<<<<<<<<対面レッスンなのは間違いないけど。
楽器によっても違う?ヴァイオリンとピアノで実験してみた
面白半分に、4種類の音源を録ってみました。
- Zoomミーティングの録音機能でヴァイオリンを録音
- Zoomミーティングの録音機能でピアノを録音
- ICレコーダーでヴァイオリンを録音
- ICレコーダーでピアノを録音
波形とご一緒にどうぞ。
↑ICレコーダーのほうはマイクレベルを低く設定してしまったので見た目が微妙ですが、ご容赦ください(汗)
1
2
2のピアノは正直、聴けたもんじゃないと思います…見事に響きがカットされてしまいました。
「オリジナル音声」をオンにした状態でコレでした。
1のヴァイオリンがそれほど聴き苦しくないのは、音を延ばしておける楽器という点が大きいのだと思います。
3
4
3と4は、Zoomミーティングと同時進行で、手持ちのICレコーダーで録音したものです。
ピアノは最後でペダルまで踏んでたのに、Zoomでは一切反映されませんでした。ざんねーん。
先生と生徒、お互いの機械スキルもあるよね?
素朴な疑問ですが、オンラインレッスンに取り組んだ先生の中で、自分のPCやスマホのスペックを正確に言える人って、果たしてどのぐらいいるんでしょうか。そもそも「正確に」の基準が曖昧だとは思うけどそれはいったん置いといて
OSは?
メモリは?
CPUは?
内蔵マイクの性能は?
さあどうでしょう。
私も、冒頭で書いたこと以上のことはわかりません。
アプリや機械、通信環境については「去年ヤ○ダ電機のセールで買ったやつ」「Android」程度の情報量で語れない内容も多々あると思うのです。。。。
我々は残念ながら音楽家であってエンジニアとかじゃないので、機械の技術について音楽家が語れることには、限界があると思います(汗)
オンラインでのアンサンブルは難しい
専用アプリなどがあるものの、ハードルとしてはまだまだ高いように思います。
先生と同時に弾くのも難しい。
アプリがあるって言われても、そのアプリを使うハードルが出てきますしね。
オンラインレッスンの正解は未知数!まだ誰にもわからない
今まではちらほらと見るだけだったオンラインレッスン。
コロナ禍をきっかけに新規参入組がドバっと。私もその1人です。
いろんな人がいると思います。
今までもやっていた人、機械にわりあい詳しめだけど今までやってなかった人、参入してみたけど正直よくわからない人・・・。
オンラインレッスンは本格的に動き出したばかりで、先生も生徒も、みんなが試行錯誤している段階です。
技術もまだまだ進化過程。
仮に「現段階での正解」があったとしても、半年後にはきっと変わってるんだろうな。
10年後には歴史の教科書に載ってることでしょう(笑)
その時その時での正解を考えて、先に進んでいくしかないのだと思います。
オンラインレッスンは、先生の学ぶ姿勢が問われている
ぼくの先生は「機械ニガテ!」って言ってたよ。
だからオンラインレッスンも無かったよ。
私の先生は機械が苦手だったようですが、「詳しそうだから教えてください」って言われて、少しお教えしましたよ。
今回のコロナ騒動で、先生や教室の方針によって、レッスン対応は割れました。
スムーズに対応できた人、様々な事情でオンライン対応が難しかった人。
生徒さんにも、オンラインレッスンを受講できない事情は多々ありました。
「オンライン授業にテレワークで、家族で機械とWi-Fiの取り合い」「家で音出しできない」
でもはっきり言えるのは、
先生の学ぶ姿勢が問われていたということ。
塾や他の習い事もオンライン化していて、生徒さんや親御さん側にノウハウがあるかもしれません。
子どもは吸収が早いですし、「先生に教えてあげた」という気持ちで嬉しくなれたとしたら、それはそれでプラスですよね😊
一刻も早いウイルスの終息を願うばかりですが、騒動以後の音楽レッスンのあり方も考えさせられています。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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