アマオケを指導してみて気づいたこと6つ。
社会人1年目に、ひょんなことからアマオケを指導するようになりました。
図らずも、関わり始めたのが「仕事のイロハがわからない~!」と感じている時期だっただけに、いろいろなことに気が付きました。
簡単にまとめてみようと思います!
多種多様な人材が揃う組織をまとめる難しさ
社会の縮図なんて言われたりもしますが、まさにその通り。
楽器の腕前も、
音楽やオーケストラそのものに対する姿勢や意識も、
日常生活に占める割合も、
てんでばらばら。
「演奏会に向けて頑張りましょう!」なんて言ったところで、それに向けたプロセスやペース配分、目標などなど、何もかもが人によりけりです。
団員の年齢層が広ければ、世代による考え方の違いも出て来ます。
職種や家庭環境から生じる違いもあります。
発言や言い方にも気を付けなくちゃ。
今日は音程重視?弾き方重視?状況に応じた優先順位をつける大切さ
アマオケでは、練習を進めると一口に言っても、プロや音大生のようには進みません。
たとえば・・・
- 音程やリズムを直す
- 適切な指使いやボウイングの指導
- 練習テンポや方法の提案(その曲のその場所に応じた弾き方を目指すため)
- 演奏や譜読み以外の問題を指摘(座る時の姿勢、セッティング、楽譜の管理状態や譜めくりの問題etc.)。
ところが、皆さんが集まった練習の場で優先すべきは、そんな内容ではありません。
どんな風な演奏に仕上げるか?
そちらのほうが大事なはずです。
こんな時私は、その日の状態と次回求められる(であろう)状態のギャップを考え、その日の練習で何をすべきか考えます。
今日は、理想と現実のギャップをどう埋めるのがベストかな?
弾き方を中心に進めつつも、途中の過程で、音程やリズムの問題が絡んで来ることもしばしば。
いろんなことを同時に注意して弾ければいいんじゃないの?
人間、同時に複数のことに注意を向けるのはなかなか難しいですから・・・。
仕事を属人化する危険性
アマオケでは、団内の様々な仕事を、皆さんで分担しておられます。
でも、転勤やご家庭の事情などによる、急な退団や休団は付き物。
○○の仕事って、この前辞めちゃった★★さんとアナタでやってたよね?
うん、でもいつも★★さんが全部やってた。
いちおう引き継いだけど、ぶっちゃけよくわかんない!
わかる唯一の人がいなくなるのは仕方ない。
でも、何も進まなくなったら困るにゃー。
同じ人がずっとやってればラクなのはわかるけど、必ずしも良いことばかりじゃないにゃー。
自分が育ってきた世界の常識が、世間の常識とは限らない
何の世界でもそうですが。
自分の常識を当たり前だと決めつけてかかるのは非常に危険であるということを、肌で学べます。
たとえば。
- 気兼ねなく楽器の練習ができる環境は当たり前。
- 弦を定期的に交換するのは当たり前。
- 時間通りに練習が終わるのは当たり前。
1つずつ見ていきましょう。
気兼ねなく楽器の練習ができる環境
練習することが商売な音大生からすると、
練習ができない環境に追いやられる=泳いでなきゃ死んじゃう魚状態。
ただし、これが当たり前の環境ではないと気が付くのは、音大卒業後のこと。
弦を定期的に交換すること
パンツのゴムとは違います。
切れる前に換えるんです。
意外と知らない方多し。
↑
という現実に気が付くのは、ずいぶん後の話である。
時間通りに練習が終わること
学生時代の話。
授業オケの指揮が、某炎の○バケ○氏だったのです。
ある日のリハで、終了時刻を1分ほど過ぎそうになりました。
でも、どうしても納得いかない出来だったのでしょう。
「少し時間オーバーします、ごめんなさい。でも予定がある人はいいですよ。」と謝られました。
大御所が学生相手にそんな言葉を発するとは、とてもビックリでした。
(結果としてほんの2~3分延びただけでしたが、練習を抜けた人はほぼいなかったと記憶しています。)
でも、「あ、プロの世界はそれほど時間に厳しいんだな」と思わされた出来事でした。
残業?何ですかそれ。拘束時間過ぎてるんですけど何か?
相手を尊敬する大事さ
「指導」というと、なんだか、上からモノを言っているニュアンスも無くはないように感じる方もいるかもしれません。
でも、私はそんなことは無いと思います。
なぜって?
相手は、自分に新たな発見をもたらす存在だから。
人間として下に見るなんてことがあってはならないし、何も得しません。
むしろ自分が損します。
音楽うんぬんの前に、人としてどうあるべきか考えさせられた
当たり前の話ですが
ヴァイオリン弾きである前に音楽家であり、
音楽家である前に人間。
私は、アマオケと関わって、人との接し方や、仕事の進め方を教わった気がします。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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