ヴァイオリンの音程はどうやって改善する?初心者必見!音程の確かめ方6選
ヴァイオリンで難しいことの一つが音程。
先生には音程をいっぱい注意されるよ!
自分で音を作るヴァイオリンの魅力でもあり、難所でもあります。
一に音程、二に音程、三、四が無くて五に音程…と言っても過言ではありません。
今回は、ヴァイオリン初心者必見!音程の確かめ方を6つご紹介します!
この記事では、
音程=ピッチ または イントネーションと定義します。
音楽用語としては音程=インターバルという定義が一般的ですが、
ヴァイオリンなどの自分で音程を作る楽器業界では、ピッチやイントネーションのことも音程と訳されます。
ちょっと不思議ですね。
チューナーで音の高さを確認する(手軽だけどほんとうの初心者限定)
いちばんお手軽な方法です。
手順は、
チューナーの針・ランプとにらめっこ。
たったこれだけ!
かんたんだ!
しかぁし。
手軽なんですが、
後々のことを考えると安直すぎるので、正直おススメしません。
ぶっちゃけ、本当に始めたばかりの初心者限定と思ってもらえれば。
目で合わせるクセが付きかねないので、早いうちに、他の方法へ移行しましょう。
ものすごく厳密なことを言い始めると・・・
弓を弦につけてる時と、弦から弓を離した時とで、ピッチが変わります。
ピアノで音を確認する
ピアノと書きましたが、キーボードやアプリでもOK。
要するに、鍵盤で音を確認する方法です。
手順は、
わからない音の鍵盤を探して押して、出た音と同じ音を、ヴァイオリンで弾く。
まあまあシンプルかな!
しかぁし。
こちらも手軽ですが、問題が一つ。
鍵盤の音と自分が出した音が同じ保証は一切無い。
じゃあ、それをチューナーで確認すればいいんじゃないかな?
・・・二度手間ですね。
という問題が発生するので、
正直、
音の高さがある程度わかる人向けかもしれません。
あのー。そもそも「ラ」の鍵盤ってどこですか?
そもそも鍵盤の場所と音の名前が一致してない人は、ハードル高いかもしれないですね。
チューナーやピアノで音を確認→歌う→楽器で同じ音を弾く
チューナーやピアノ(鍵盤)だけでなく、声を通してもう一度確認するのがポイント。
チューナーやピアノでの確認は、いわば受動的な動作。
自ら音を発する能動的なプロセスが加わると、理解がいっそう深まります。
高すぎる音は、オクターヴ低く歌ってもかまいません。
チューナーやピアノの音と、歌った音や楽器の音が同じかどうかは、どうやって確かめれば良いのかな?
とにかく聴きましょう。
高さを聴くと言うよりは、響きを感じると言ったほうが近いかもしれません。
ヴァイオリンを弾いている限り、音程の問題は、永遠に付きまといます!
いつまでも、機械や先生に音程を直してもらいますか?
耳を鍛える良い機会だと思って、腰を据えて取り組みましょう!
(G, D, A, E限定)開放弦の響きに合わせる
開放弦と同じ名前の音(G, D, A, E)を、開放弦の響きに合わせてみましょう。
正しく調弦できていれば、いちばん信頼できる方法です。
同じ高さの音のみならず、オクターヴ違いの音もこの方法でOK。
同じ高さの音の例=A線開放弦とファーストポジションD線4指のA
オクターヴ違いの音の例=A線開放弦とファーストポジションE線3指のA
調弦が合ってないと使えないですって!?
何よこの役立たず!
いやいやいや。
調弦は弦楽器の基本なので、面倒くさがらずに、小まめに調弦してね。
近くの開放弦の音から音階を弾いて確かめる
開放弦から1オクターヴ程度の音階が弾けるようになったら、使える方法です。
例えば、
ファーストポジションでA線1指になるH音を取りたいとしたら、
A線開放弦の音→H音
の順で弾きます。
1音だけ弾くのを、音を点としてとらえるイメージだとすると、
線の中で音をとらえるイメージです。
流れの中で音をとる感じになるんだね!
比較対象ができて、わかりやすくなりました。
もちろん、100%合ってるとは言い切れませんが、
目安程度の正しい高さを取るのが目標ならば、だいたい大丈夫です。
自分の耳を育てる機会にもなるね。
チューナーやピアノに頼りきりの状態を脱出できるかも!?
開放弦の音と重音を作って確かめる
音を確かめられて、自分の耳まで育てられちゃう!
一石二鳥どころか四鳥、五鳥な方法です。
重音ってなあに?
2つ以上の音を同時に弾くことだよ。
調弦は2本同時に弾くでしょう。あれも重音の仲間だよ。
音が合ってるかどうか、先生に聴いてもらわなくてもわかるかなあ?
わかりやすくて弾きやすい響きがあるので、まずはそれを覚えましょう。
ファーストポジションで弾ける、わかりやすい響きは、次の6つです。
- E線と、A線3指の Cis または C
- A線と、D線3指の Fis または F
- D線と、G線3指の H または B
- G線と、D線1指の E または Es
- D線と、A線1指の H または B
- A線と、E線1指の Fis または F
なるほど、要するに3度と6度ですね。
◯度とは、音の隔たりを表す言葉(インターバル=一般的に言う「音程」のこと)。
上記の例だと、1~3を3度、4~6を6度と呼びます。
1~3は、高い音から低い音に向かって「ミレド」「ラソファ」「レドシ」と数えます。音が3つなので3度。
4~6は、低い音から高い音に向かって「ソラシドレミ」「レミファソラシ」「ラシドレミファ」と数えます。
厳密には E – Cis を短3度、E – C を長3度と呼んで区別しますが、どちらもファーストポジションで弾けてわかりやすい響きなので、本記事では区別せずに扱います。同様に6度も G – E を長6度、G – Es を短6度と呼ぶ区別があります。
弾いてみたんですけど、確かに綺麗ですね。
今まで、あまり気にしてなかったなあ。
きれいな響き!
楽器もうれしそうだね!
本当に綺麗な響きの時は、楽器の鳴り方が違っているはずです。
木の振動を感じてみてください。
厳密な話をすると、同じ音でも、単音でメロディックに弾きたい時のツボと、重音を綺麗に響かせたい時のツボは違います。
もっと細かく言うと、同じ音でも重音の相方(!)によって、ツボが変わります。😱
本記事では、ある程度のキレイなレベルまで音程を合わせることを目標にしているので、これ以上の言及は避けます。
ヴァイオリンで音程を改善するには、自分の耳を鍛えるのがいちばん!自分の音を聴こう
ヴァイオリンで音程を改善する早道は、
耳を鍛えること。
この一言に尽きます。
自分が出した音が綺麗かどうか判定できる耳を育てる練習をしましょう。
いちばん取っ掛かりやすいのは、2本ずつ合わせる調弦の練習です。
調弦は、オクターヴの次に、綺麗かどうかがわかりやすい響きなので、
機械に頼らず、自分の耳で正誤判定をする練習になります!
中には
音程悪いから指の練習を頑張らなくちゃ!
と意気込んで、筋トレ的な練習だけを頑張る方がいらっしゃいますが、
自分の音を聴いてないのなら、なんの意味も無いですよ!
いつでも、良い響きの音を奏でたいですね。
ソルフェージュの先生、ヴァイオリンの先生、時々オーケストラと室内楽。
ヴァイオリン弾きのソルフェージュ講師はわりと珍しいようです。指導経験は延べ100人以上。茨城県立水戸第三高等学校音楽科、Y. A. ミュージックアカデミー等で指導にあたる。
「音大受験の1科目」としてのソルフェージュではなく、実際の演奏に結び付くもの、音楽をより楽しめるものを目指しています。あらゆる楽器の生徒さんに対応していますが、得意とするのはヴァイオリンをはじめとする弦楽器。ヴァイオリンを学ぶ人に必要かつ不足しがちなことを、自身の実体験をふまえてレッスンしています。
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